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平成二十二年四月二十七日提出
質問第四三〇号

革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問主意書

提出者  佐藤 勉




革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問主意書


 警察庁は、本年二月、広報誌『焦点 第二百七十八号 平成二十一年の警備情勢を顧みて〜回顧と展望〜』を発行し、「現在の社会経済情勢を好機ととらえ、労働運動等への介入を強めた過激派」の動向に警鐘を鳴らしている。
 とりわけ、革マル派に関しては、「非正規労働者等の組織化に取り組むなど、労働運動に介入」しており、「革マル派が相当浸透しているとみられるJR総連及びJR東労組は、組合員を大量動員し、JR東労組の組合員らによる組合脱退及び退職強要事件に対する支援活動に取り組みました。(平成二十一年)六月五日、一審有罪判決に対する被告人の控訴は棄却されましたが、これらの組合は、それ以降も『不当判決』などと訴える集会に取り組み、組織の引締めを図りました」としている。警察庁は、革マル派の労働組合に対する介入工作、とりわけJR総連への浸透について、平成十一年以降の『焦点』において、繰り返し指摘しているところである。
 政府においては、JRという公共交通機関の労働組合に、過激派・革マル派が浸透している事態を看過することなく、国の治安維持のために取り組みを強化すべきであると考える。
 以上の認識に立ち、以下質問する。

一 平成十一年版警察庁出版の広報誌『焦点』という冊子に、革マル派は、「平和で自由な民主主義社会を暴力で破壊、転覆しようと企てている反社会的な集団であり、治安を脅かす要因となっている」と記されている。革マル派の社会的な危険性と、JR総連・JR東労組をはじめとするJRの労働組合への浸透と影響力行使の実態及びその目的について具体的に明らかにされたい。
二 JR総連・JR東労組には、現在も革マル派が相当浸透し、同派幹部が多数存在しているとみてよいか。また、JR東労組の委員長や会長を歴任した松嵜明氏は、現在も革マル派最高幹部であるとみてよいか。
三 革マル派については、平成十八年十二月十九日の伴野豊議員の質問主意書に対する政府の答弁書(内閣衆質一六五第二二八号)によれば「全日本鉄道労働組合総連合会及びJR東労組という公共交通機関の労働組合における革マル派の動向について、公共の安全と秩序の維持の観点から重大な関心を払うこととしている」と回答しているが、今後想定される革マル派の活動及び危険性についての警察の認識を明らかにされたい。
四 警察庁出版の『平成二十一年の警備情勢を顧みて』によれば、「革マル派が相当浸透しているとみられるJR総連及びJR東労組」と書かれているが、その見解は今でも変わらないか。
五 警視庁が平成二十年三月十八日に東京地方検察庁に送致した、JR総連の関連団体である日本鉄道福祉事業協会の元理事長にかかわる業務上横領被疑事件の内容を明らかにされたい。
 また、前述の業務上横領被疑事件に関し平成十九年二月に警察が行った捜索や差し押さえについて、前記松嵜明氏らは東京都と国を被告として賠償等請求訴訟を提起しているのか。また、当該事件にかかわる捜索及び差し押さえの実態を具体的に明らかにされたい。
六 革マル派組織が将来的に国政の場への浸透を企図する動きや懸念はあるのか、見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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