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平成二十二年五月十一日提出
質問第四六〇号

在沖米海兵隊の「抑止力」に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




在沖米海兵隊の「抑止力」に関する質問主意書


 去る五月四日、鳩山由紀夫首相は沖縄県庁で仲井眞弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場の移設について次のように伝えたと報道されている。「例えば海外(移設)という話もなかったわけではないが、現実に日米の同盟関係、近隣諸国との関係を考えたとき、抑止力の観点から難しいという思いになった」。鳩山首相のこの言葉は、「抑止力」を維持するために普天間飛行場の全面的な県外移設は難しいとの認識を示したものと考える。
 鳩山首相は、昨夏の衆議院選挙公示日前日の記者会見でも「普天間飛行場は最低でも県外」と県外移設への強い決意を語った。戦後六十五年間も過重な基地の負担に苦しんできた沖縄県民は、鳩山首相の言葉に大変な希望を見出し、そして期待した。しかし、政権発足から一年も経過しない今、普天間飛行場の県外移設を早くも断念し、旧自公政権が米国政府と合意したキャンプ・シュワブ沿岸部への現行計画を修正したくい打ち桟橋(QIP)方式による移設を検討しているようである。
 以下、質問する。

一 鳩山首相が言う「抑止力」とは、具体的に何を意味するのか。政府における「抑止力」及び「海兵隊による抑止力」の定義を明示されたい。
二 「抑止力」とは、攻撃する能力と意思がある相手国(いわゆる仮想敵国)の存在を前提にしていると考える。日本政府が想定する相手国を明らかにされたい。
三 在沖米海兵隊は、長崎県の佐世保港に配備された米海軍揚陸艦部隊とともに行動するため、必ずしも沖縄に駐留する必要はないと考える。仮に「抑止力」が必要として、そのために沖縄に普天間飛行場が必要不可欠とする理由は何か、政府の見解を示されたい。
四 米海兵隊の沖縄配備の必要性が説かれる根拠として、地理的優位性が挙げられる。すなわち、台湾有事や東南アジアのテロ及び災害時の救援、北朝鮮有事を想定した場合、沖縄がその三地域と近距離にあることを海兵隊駐留の根拠とするものだ。しかしながら、上記の場合も在沖米海兵隊は佐世保の揚陸艦部隊とともに行動するはずで、必ずしも沖縄に駐留する必要はないと考えるが、政府の見解を示されたい。
五 前項四の事態が発生した場合、在沖米海兵隊のヘリコプター部隊だけが単独で行動することもあるかもしれない。その際の出動目的は、ヘリコプター部隊の規模や作戦能力から考えて、当該紛争地の米国人の保護救出にあると考えるが、政府の見解を示されたい。
六 米国人の保護救出は、我が国の安全を守るための「抑止力」とは何ら関係ないと考えるが、政府の見解を示されたい。
七 政府は、佐世保港の揚陸艦部隊が沖縄に配備されない現状において「抑止力」が維持されていると考えるのか、見解を示されたい。
八 米海兵隊の能力からして、歩兵や砲兵の地上部隊と当該部隊を輸送するヘリコプター部隊の一体的な運用(空地一体の運用)が不可欠であると言われている。そうであるなら、キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンの地上部隊の県外・国外への移転も含めて、普天間飛行場の移設先を模索すべきだが、政府内で検討し、米国との協議に提示したことがあるのか明らかにされたい。検討したことがない、あるいは米国に拒否されたのであれば理由を示されたい。

 右質問する。



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