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平成二十二年五月二十四日提出
質問第四九九号

口蹄疫検査の為の検体採取者についての山田農林水産副大臣の宮崎県に於ける発言、及び佐々木農林水産大臣政務官の衆議院経済産業委員会に於ける答弁内容に関する質問主意書

提出者  高市早苗




口蹄疫検査の為の検体採取者についての山田農林水産副大臣の宮崎県に於ける発言、及び佐々木農林水産大臣政務官の衆議院経済産業委員会に於ける答弁内容に関する質問主意書


一 口蹄疫検査の為の検体採取者について
 『口蹄疫・現地対策本部(日報)』と題された書類によると、平成二十二年五月十八日の午前十一時三十分より、山田農林水産副大臣は、宮崎県川南町に於いて、川南町長、都農町長、川南町農業担当課長、県担当者、JA職員と、打合せをされている。
 『口蹄疫・現地対策本部(日報)』に記載された会議録には、次の会話が交されたことが記録されている。
  都農町長「四月段階から両町で消毒を徹底しているが、蔓延が止まらない。獣医が足りないので、明日からの作業ができるかどうか分からないといわれる」、「疑わしい症状が出た時点で獣医師が派遣されず、経過観察を求められる。その間に感染が拡大することを懸念」
  山田副大臣「農家が自分で採取できるだろう。そうすれば作業が進む」
  県対策本部「検体採取は獣医師でないとできません。家伝法上できない」
  山田副大臣「綿棒で取るだけなら自分でできるだろう。細かいこと言うな!」
 私は、去る五月二十一日の衆議院経済産業委員会に於いて、前出資料を読み上げた上で質疑を行い、佐々木大臣政務官から答弁をいただいた。五月二十一日付の『衆議院経済産業委員会速記録』では、次の通りの質疑応答内容が記録されている。
  〇高市委員「町長が、疑わしい症状が出たら、家畜から検体採取をする獣医師が足りないということを訴えておられるのに対して、山田副大臣が、綿棒で取るだけなら自分でできるだろう、細かいこと言うなということで、農家が検体採取をするべきだという考えを述べておられるんです。法律上、農家が自分で検体採取をすることは可能なんでしょうか。根拠条文とともに伺います」
  〇佐々木大臣政務官「農家自身が検体をとるということについては、個人の財産ですからそれは可能でありますが、しかし、獣医師が足りないということは、それもまた、今増員をして(後略)」
  〇高市委員「それでは、農家が検体をとって検査に回すということは法律上何の問題もない、各農家でやっていただければいいということで間違いございませんね」
  〇佐々木大臣政務官「それは問題ありませんが、できれば専門家がとった方がより望ましいというふうには思います。問題はありません」
 右の事実を踏まえて、次の事項について質問をする。
 1 経済産業委員会に於いて、私が「それでは、農家が検体をとって検査に回すということは法律上何の問題もない、各農家でやっていただければいいということで間違いございませんね」と質した時に、佐々木大臣政務官は「それは問題ありませんが、できれば専門家がとった方がより望ましいというふうには思います。問題はありません」と答弁されている。
  しかし、「検体を採取すること」は、「口蹄疫の発生を確認するための検査に含まれる行為」であり、家畜伝染病予防法の第五条第一項、及び同法第三十一条第一項の規定を読む限り、検査に含まれる行為である検体採取については、「家畜防疫員」が行うべきものであると解される。
  そもそも家畜伝染病予防法には、「農家が検査に係らない検体を採取すること」については規定されておらず、経済産業委員会に於ける私の質疑も、前述の通り、「農家が検体をとって検査に回す」ことの合法性を尋ねたものであった。
  家畜伝染病予防法は、佐々木大臣政務官の経済産業委員会に於ける答弁や宮崎県に於ける山田副大臣の発言の通り、「農家が検体をとって検査に回すこと」を合法とするものであるのか。念の為、再確認する。
 2 仮に農家が検体をとって検査に回すことが合法であるとすると、家畜伝染病予防法の条文にある「検査」には「検体の採取」は含まれないということになるが、この点についても解釈を伺う。
 3 前記の通り、家畜から検体採取をする獣医師が足りないことを訴えた都農町長に対して、山田副大臣は「農家が自分で採取できるだろう。そうすれば作業が進む」と答えている。佐々木大臣政務官の答弁内容と併せると、農家が自分で採取した検体を家畜防疫員に提出したとしても、家畜伝染病予防法第八条に規定された「証明書」の交付が受けられると解される。
  家畜伝染病予防法第八条の条文を読む限り、証明書の交付は「家畜防疫員による検査」が前提であり、証明書が交付された検査のみが効力を有すると解されるが、本当に、農家が自分で採取した検体を提出しても、検査結果が有効とされ、証明書が発行されるのか、という点について、改めて確認する。
二 農家による検体採取への支援と広報について
 仮に山田副大臣や佐々木大臣政務官が言う通り「農家が検体をとって検査に回すこと」によっても有効な検査が実施できるということであれば、それを知らずに家畜防疫員を待っておられる宮崎県の畜産農家に対する広報や検体採取作業への支援が必要になると考える。
 従って、次の事項について質問する。
 1 山田副大臣や佐々木大臣政務官が言うように農家が検体をとって検査に回すことが可能であるということについてご存知ない畜産農家に対する広報活動は実施しているのか。実施しているとすると、何時からどのような方法で実施しているのか。
 2 農林水産省の「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針に基づく発生予防及びまん延防止措置の実施にあたっての留意事項」(平成十六年十二月一日付け、十六消安第六三一五号、農林水産省消費・安全局長通知)に示された「検体採取にあたっての準備(携行用具の用意等)」、「採取の実施」、「記録」、「送付」等の検体採取手順は、一般農家が自力で行うには余りにも困難な作業であると思える。農家が行う検体採取について、支援は実施しているのか。実施しているとすると、何時からどのような方法で実施しているのか。

 右質問する。



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