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平成二十二年五月二十八日提出
質問第五一六号

厚生労働省の郵便制度悪用・文書偽造事件に係る検察官の取調べに関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




厚生労働省の郵便制度悪用・文書偽造事件に係る検察官の取調べに関する質問主意書


 障害者団体等を対象とした低料金の第三種郵便物制度に係る文書を偽装し、実態のない自称障害者団体「凛の会」に同制度を悪用させたとして、厚生労働省の上村勉元担当係長が昨年逮捕された。右の事件(以下、「文書偽造事件」という。)に絡み、文書偽造を上村元係長に指示したとして、昨年六月に逮捕された村木厚子元同省雇用均等・児童家庭局長の公判に関し、本年五月二十六日、大阪地方裁判所の横田信之裁判長は、上村元係長が大阪地方検察庁の取調べを受けた際に、村木元局長の指示を受けて偽造を行った旨の供述が書かれているものをはじめ、「凛の会」元代表の倉沢邦夫氏らの調書十五通について、「検事に誘導された可能性が高い」とし、公判において証拠採用しないことを決定した。右を踏まえ、質問する。

一 千葉景子法務大臣はじめ法務省政務三役は、「文書偽造事件」に係る今回の大阪地裁の決定を承知しているか。
二 報道によると、上村元係長は供述調書では村木元局長からの指示で文書偽装を行ったとされているものの、法廷では右は検事による作文、でっち上げであると証言している。また同様に倉沢氏も、供述調書では村木元局長に直接証明書の発行を依頼したとされているものの、法廷では実際は村木元局長に依頼はしておらず、上村元係長の前任者に発行を依頼したと述べている。これらにつき、大阪地裁はそれぞれ「検事が想定していた内容の調書を作成した可能性が排除できず、供述に特信性(高度な信用性)が認められない」、「他の人の供述調書を踏まえ、検事に誘導された可能性が高い。調書の全体的な特信性に疑問がある」と判断し、調書を採用しないという今回の決定に至ったと報道されている。右は、大阪地検の取調べに重大な問題があったことを裁判所が認めたことに他ならないと考えるが、法務省政務三役の見解如何。
三 「文書偽造事件」について、法務省政務三役は検察側から報告を受けているか。
四 報道によると、上村元係長が調書の訂正を求めても、大阪地検の検察官はそれに応じなかったとのことである。またある検察官に至っては、「記憶なんてあいまいだから、取り調べた関係者の多数決で決めよう」と述べたとのことであるが、右の発言をした同地検の検察官とは誰か、その官職氏名を明らかにされたい。
五 法務省政務三役は、過去の答弁書(内閣衆質一七四第七一号)で「一般論として申し上げれば、刑事訴訟法第百九十八条第二項は、被疑者の取調べに際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない旨を、同法第三百十九条第一項は、強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑いのある自白は、これを証拠とすることができない旨を、同法第三百二十五条は、被告人の供述であるか被告人以外の者の供述であるかを問わず、裁判所は、あらかじめ、書面に記載された供述又は公判準備若しくは公判期日における供述の内容となった他の者の供述が任意にされたものかどうかを調査した後でなければ、これを証拠とすることができない旨をそれぞれ定めており、検察当局においては、取調べに際し、これらの規定等を踏まえて適切に対処しているものと承知している。」とし、検察官による取調べは適切に行われている旨の答弁を繰り返してきた。「文書偽造事件」につき、今回前文で触れた決定が大阪地裁から下された今、法務省政務三役として、過去に右の答弁を行ったことにつき、どの様に考えるか。右は、法務省政務三役が、個々の検察官による取調べの実態を把握していなかったことを示しているのではないか。
六 「文書偽造事件」に関連する大阪地検の取調べは正しいものであるか。法務省政務三役の見解如何。
七 「文書偽造事件」に関し、今回の様な問題が生じたのも、取調べが密室で行われ、検察官の暴走を止める手段がないことに起因するものと考える。この様な事態の再発を防止するためにも、取調べを録音、録画する等の方法により、全面可視化をすることが絶対に必要であると考えるが、法務省政務三役の見解如何。

 右質問する。



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