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平成二十二年八月二日提出
質問第二一号

北方領土への邦人の入域に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土への邦人の入域に関する質問主意書


 本年七月二十四日から二十六日にかけて、北海道の水産加工措置メーカーの技術者ら邦人二名が、ロシアのビザを取得し、択捉島を訪問していたことが明らかになった。右につき、岡田克也外務大臣は同月三十日の記者会見で、事実関係を調査中とした上で、「ロシアの管轄権を前提にしたとすれば、北方領土に関する我が国の立場と相容れない」と指摘し、「当該企業に厳重抗議し、事業への関与の即刻中止を求める」と述べている。右を踏まえ、質問する。

一 前文で触れた、邦人の択捉島訪問問題に関し、現時点で外務省による事実関係の調査はどの程度進んでいるのか説明されたい。
二 一九八九年九月十九日、政府は、ソ連(当時)のビザ発給を受ける形で北方領土へ入域することを自粛する様、邦人に要請する閣議了解を決定している。その後も、右了解を基にして、一九九一年十月二十九日、一九九八年四月十七日、一九九九年九月十日にも同趣旨の閣議了解を決定しているが、この間、邦人による北方領土への入域はなされているか否か、政府として把握しているか。把握しているのなら、いつ、何人の邦人が北方領土のどこに何の目的で入域しているのか、詳細を明らかにされたい。
三 一九八九年の閣議了解は、「北方領土問題は存在しない」というスタンスをとり続けていた旧ソ連時代になされたものである。ソ連の後継国であるロシアは、北方領土問題の存在を認め、その後様々な声明、諸合意により、北方領土は日ロの係争地域であり、両国が話し合いによってそれに係る問題を解決する旨、両国の最高首脳が合意しており、文書でも明確にそのことが担保されている。このことを鑑みる時、ソ連時代と同様の認識で、ただ頑なに邦人に対して北方領土への入域を自粛することを今後とも求め続けても、「南クリル社会経済発展計画」により毎年猛烈な勢いでインフラ整備等が進められている北方領土において、ロシアの実効支配が強化されるのみではないのか。菅総理の見解如何。
四 三で指摘した様に、ソ連時代の閣議了解を頑なに守り続け、邦人に対して北方領土への入域を自粛することを求めるよりも、むしろ邦人が積極的に北方領土に進出し、現地で我が国が持つ高度な技術やノウハウを活用する方法を政府として確立した方が、北方領土返還に資するのではないか。例えば、ロシアのサハリン州を邦人が訪問する際も、ロシアのビザを取得する必要があるのであり、そのまま北方領土を訪問する形を取れば、特段問題はないと考える。何より、日ロの最高首脳が、北方領土を巡る問題が両国に存在し、話し合いで解決をすることに合意している中、例え邦人がロシアのビザを取得して北方領土に入域しても、それが即、我が国として北方領土の返還を諦め、北方領土に対するロシアの管轄権を認めたことにはならないと考えるが、菅総理の見解如何。
五 菅総理として、三と四で指摘した観点から、一九八九年及びそれを受けた一九九一年、一九九八年、一九九九年の閣議了解を見直し、邦人が積極的に北方領土に入域でき、ロシアによる実効支配強化に対応でき得る仕組みを作る、またはそのことを検討する考えはあるか。

 右質問する。



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