質問本文情報
平成二十二年十月八日提出質問第四二号
被疑者自身による取調べの可視化の要請に関する質問主意書
提出者 浅野貴博
被疑者自身による取調べの可視化の要請に関する質問主意書
障害者団体等を対象とした低料金の第三種郵便物制度に係る文書を偽造し、実態のない自称障害者団体「凛の会」に同制度を悪用させたとして、厚生労働省の上村勉元担当係長が昨年逮捕された。右の事件に絡み、文書偽造を上村元係長に指示したとして、昨年六月に逮捕された村木厚子元同省雇用均等・児童家庭局長の公判が本年九月十日に行われ、無罪判決が下された。右に関し、村木元局長の取調べを担当していた大阪地方検察庁特別捜査部の前田恒彦主任検事が、証拠として押収したフロッピーディスクを改竄したとして、同月二十一日、最高検察庁に逮捕された。また、前田容疑者による証拠改竄を知りながら、その事実を隠蔽していたとして、同地検特捜部前特捜部長の大坪弘道京都地方検察庁次席検事、佐賀元明神戸地方検察庁特別刑事部長が、本年十月一日、犯人隠避罪の容疑で最高検により逮捕された。右に関し、同月四日、佐賀容疑者の弁護人である秋田真志氏が最高検に対し、佐賀容疑者の意向を受け、同容疑者に対する取調べの全過程を録画し、可視化することを求めているが、伊藤鉄男最高検次長検事は、五日記者会見をし、右について「(検察官が)自分が取調べられる時だけ可視化をしろというのはどうかと思う。彼は(取調べの中で)自分を守る方法を一番よく知っているはずで、被疑者の権利を守るための可視化ならば必要はない」と述べたと報道されている。右を踏まえ、質問する。
二 一に関し、被疑者となった者が可視化を拒否した場合、可視化措置を行わないことは可能か。可能ならば、その法的根拠は何か示されたい。
三 二で、拒否することが認められないのならば、その法的根拠は何か示されたい。
四 一般に、一でも触れた検察庁、警察庁における取調べの一部の可視化措置に関連し、その対象外の取調べの過程において、被疑者よりその様子を録音、録画して可視化することの依頼があった場合、それは認められるか。認められるならば、その法的根拠は何か示されたい。
五 四で、認められないならば、その法的根拠は何か示されたい。
六 前文で触れたが、伊藤検事は佐賀容疑者の要請を却下する旨述べている。伊藤検事はどのような法的根拠に基づき、佐賀容疑者の要請に応じない旨述べているのか、柳田稔法務大臣の説明を求める。
七 柳田大臣として、佐賀容疑者の要請に対してどのように対応する考えでいるのか説明されたい。
右質問する。