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平成二十二年十月十五日提出
質問第六二号

東京国立博物館の展示表示等に関する質問主意書

提出者  馳  浩




東京国立博物館の展示表示等に関する質問主意書


 東京国立博物館を始めとする独立行政法人の国立博物館において、古九谷を「伊万里古九谷様式」として展示していることに関する質問主意書を本年三月一日に提出し、三月九日に答弁書の送付を受け、さらに再質問主意書を四月十五日に提出し、四月二十三日にその答弁書の送付を受けたが、さらに確認したい点がある。
 従って、次の事項について質問する。

一 最初の質問主意書一に対する答弁書において、「関係学会等における学術研究の成果等を踏まえて、産地を「伊万里」とし、分類を「古九谷様式」とするものとして示していると聞いている。」との答弁であったが、同質問主意書六に示したように、最近の学術研究の成果では素地産地と絵付産地の別も含めて、すべてが伊万里産と断定できない状況になっている。公正公平を指導監督すべき立場の国が、こうした一方にのみ偏った表示を行うことについて、是正を指導すべきと考えるが、政府の今後の方針について誠意ある説明を求める。
二 国指定重要文化財「古九谷 色絵竹叭々鳥文大皿」は、最近石川県立美術館の特別展で出品されたが、長年展示されなかった理由の答弁に「八万件(最初の答弁では十万件)を超える収蔵品の中から限られた数の文化財を展示する必要があったため、その時々の展示の企画内容等に見合った文化財を選定してきた」としている。旧所有者から国に寄贈される以前の写真と現状を比較すると、修復された形跡が伺えるが、破損修復の事実があったのか。あったのなら、その詳細な事実について、文化庁から東京国立博物館に確認してその結果を報告してほしい。
三 文化庁所有の国指定重要文化財「古九谷 色絵牡丹獅子文銚子」が、平成十九年の文化庁・九州国立博物館主催「日本のやきもの」展で、重要文化財指定名称とは異なる「伊万里(有田)・古九谷様式」という表示で展示されていた点について、再質問主意書の答弁書では「名称の表示を簡潔に行う等の観点から行ったものである。」としているが、むしろ指定名称通りの方が簡潔ではないか。納得のいく答弁を再度求めたいし、重要文化財の指定名称と異なる名称表示については、厳に慎まなければならないと考えるが如何。文化庁の主催事業でこうした表示をするのであれば、重要文化財の指定名称を変更した上で実施すべきであり、文化庁自らが齟齬を生じさせていると考えられるが、政府の説明を求める。

 右質問する。



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