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平成二十二年十月十八日提出
質問第六六号

尖閣諸島沖で起きた衝突事件に係る中国側による駐中国日本国大使の呼び出しに関する再質問主意書

提出者  浅野貴博




尖閣諸島沖で起きた衝突事件に係る中国側による駐中国日本国大使の呼び出しに関する再質問主意書


 本年九月七日、尖閣諸島周辺に侵入した中国漁船が、我が国の海上保安庁巡視船に衝突する事件(以下、「衝突事件」という。)が起きた。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七六第三号)を踏まえ、再質問する。

一 「衝突事件」発生後、中国側は丹羽宇一郎駐中国日本国大使を何度も呼び出し、抗議をしていると承知する。また九月十二日には、日本時間の深夜一時に丹羽大使を呼び出すという、我が国を代表して中国に赴任している丹羽大使に対し、常識外れの対応を取っている。右につき、同月十七日、前原誠司外務大臣は、深夜の記者会見において、「(丹羽大使が)呼ばれたのは三回。二回は(日本側から)抗議に行った」との説明をしている。一方で、在中国日本国大使館の説明等によると、丹羽大使が呼び出されたのは五回であるとの報道もなされている。右に関し、前回質問主意書で、実際の事実関係はどのようになっているのか、丹羽大使が中国側から呼び出され抗議を受けた、並びに丹羽大使側から中国側に出向き抗議を行った事案に関し、それぞれの日時、場所、丹羽大使が受けた抗議及び同大使が行った抗議の内容、中国側の人物の官職氏名等は時系列にどうなっているのかと問うたところ、「前回答弁書」では「外交上の個別のやり取りに係る詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり差し控えたい」との答弁がなされている。しかし、右で指摘したように、前原大臣は記者会見で丹羽大使が呼び出された回数を明らかにしている。それにも関わらず、右のような答弁がなされるのはなぜか。政府答弁書において、丹羽大使が呼び出された回数すら明らかにできないのはなぜか。政府として、右のような矛盾した対応を取る理由を明らかにされたい。
二 一で指摘したように、前原大臣は丹羽大使が呼び出されたのは三回、我が国側から抗議に行ったのは二回と述べている。それぞれの日にち、時間、場所、丹羽大使が受けた抗議の内容、抗議をした中国側の人物の官職氏名、更に日本側の誰が中国側の誰に抗議をしたのか、それぞれ明らかにすることを再度求める。
三 「衝突事件」に関連し、中国の四川省成都等の都市で十月十六日に大規模な反日デモが起きた。またそれが飛び火し、翌十七日には同省の綿陽市で日本車が壊され、邦人が経営する店舗が襲われる事態が発生している。繰り返すが、本件については我が国は被害者であり、加害者は中国である。中国政府がこれほど強硬な態度に出て、更に現地邦人の生命、財産が危機に瀕する事態が起きているのは、やはり我が国の初動対応に甘さがあったのではないか。前回質問主意書で、これ以上本件を巡る日中間の衝突が激化することを避け、何より我が国の国家主権に関わる認識を明確に示す上でも、丹羽大使を一度本国に召還する必要があるのではないかと問うたところ、「前回答弁書」では「尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。したがって、尖閣諸島をめぐり中国との間で解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。」との答弁がなされているが、右は当たり前の話である。尖閣諸島を巡る問題が存在しないことを明確に示し、中国側に毅然とした態度を取る上でも、丹羽大使を本国に召還する必要があったのではないか。前原大臣の見解を再度問う。

 右質問する。



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