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平成二十二年十一月十二日提出
質問第一五五号

北方領土における日ロ首脳会談の実施に対する菅直人内閣総理大臣の見解に関する再質問主意書

提出者  浅野貴博




北方領土における日ロ首脳会談の実施に対する菅直人内閣総理大臣の見解に関する再質問主意書


 外務省HPによると、昨年十一月十八日、当時の兒玉和夫外務報道官は、当時の鳩山由紀夫内閣総理大臣が北海道知事と会談した際、「北方四島のどこかでロシアの大統領と会談ができれば」という趣旨の発言をしたことに関する北海道新聞の記者の質問に対し、「一点目として、北方四島で今後首脳会談を行うという計画はありません。ご指摘の二点目として、総理の発言については、『日本側の法的立場を害することなく、北方四島で首脳会談を行うことが出来れば』という総理の一般的な思いを述べられたものと承知しております。参考までに申し上げますが、四島交流は現島民との間の相互理解の促進を目的とした枠組みでありまして、訪問者等に種々の制約があることもあって、いわゆる四島交流の枠組みの下で首脳会談のための訪問が行われるということは想定されておりません。」と答えている。右について、昨年十二月一日に閣議決定された、鈴木宗男前衆議院議員の質問に対する政府答弁書(内閣衆質一七三第九九号)では、「四島交流は現島民との相互理解の増進を目的とした枠組みであり、訪問者等に種々の制約もあることもあり、首脳会談のための訪問をこの枠組みの下で行うことは想定されていない。兒玉和夫外務報道官の御指摘の発言は、この趣旨を説明したものである。」との答弁がなされている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七六第一二三号)を踏まえ、再質問する。

一 本年九月二十九日、ロシアのメドベージェフ大統領は「近い将来、必ずクリルを訪問する」旨の発言をし、十一月一日の日本時間午前九時過ぎ、国後島を訪問した。これにより、ロシアによる北方領土の実効支配は、今後より強化されていくものと懸念するものである。右につき、「前回答弁書」では「今回のメドヴェージェフ・ロシア連邦大統領の国後島訪問は、北方領土問題に関する我が国の立場に影響を及ぼすものではないと考えている。」との答弁がなされているが、北方領土交渉における我が国の立場がより厳しいものとなることは間違いないと考える。前回質問主意書で、菅直人内閣総理大臣、そして前原誠司外務大臣、馬淵澄夫沖縄及び北方対策担当大臣として、今後ビザなし交流等の枠組みを利用し、我が国固有の領土である北方領土を訪問する考えはあるかと問うたところ、「前回答弁書」では「北方領土への訪問については、菅直人内閣総理大臣及び前原誠司外務大臣が御指摘の枠組みを利用して北方領土を訪問する具体的な考えはない。また、馬淵澄夫内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)は、来年度の四島交流の日程等を勘案して適切に判断する考えである。」との答弁がなされている。メドベージェフ大統領による国後島訪問への対抗措置としては、我が国の首脳である菅総理が、同じく国後島を訪問することが最も有効であると考えるが、右答弁にあるように、政府としてそのような考えを有していないのはなぜか。
二 前回質問主意書で、菅総理として、我が国固有の領土である北方領土において日ロ首脳会談を行うことに関し、どのような見解を有しているかと問うたところ、「前回答弁書」では「四島交流は現島民との相互理解の増進を目的とした枠組みであり、首脳会談のための訪問をこの枠組みの下で行うことは想定されていない。」との答弁がなされている。重ねて指摘をするが、それはあくまで「想定されていない」というものであり、現実的に、理論的に、または物理的に決して不可能なことではないのではないのか。菅総理の見解を再度問う。
三 二の答弁にあるように、四島交流が「現島民との相互理解の増進を目的とした枠組み」ならば、我が国の首脳である菅総理が四島を訪れ、現地島民と交流を持つことは、四島交流の趣旨に合致し、北方領土問題の解決に大いに資することではないのか。
四 菅総理、または前原大臣として、対ロシア外交、北方領土交渉を担当する外務省職員に対し、四島交流の枠組みの下で、菅総理、前原大臣が北方四島を訪問する枠組みをつくることを検討するよう、指示を出す考えはあるか。

 右質問する。



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