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平成二十二年十一月二十五日提出質問第二〇〇号
菅内閣における内閣官房報償費(機密費)の使用等に関する質問主意書
提出者 塩川鉄也
菅内閣における内閣官房報償費(機密費)の使用等に関する質問主意書
一 二〇一〇年度の内閣官房報償費(機密費)について、内閣官房長官が取扱責任者である内閣官房報償費の国庫からの支出状況(請求日、支出額)を明らかにされたい。
二 平野博文前内閣官房長官が本年四月一日に決定した「内閣官房報償費の執行にあたっての基本的な方針」は、「内閣官房報償費(以下「報償費」という。)の適正な執行に資するため、平成二二年度一年間を通じて責任を持って報償費を執行する中で、その使途等を検証する。その使途等を検証していく中で、報償費の透明性の確保を図る方策について、検討することとする。」としていた。本年六月一七日に仙谷由人内閣官房長官が決定した「内閣官房報償費の執行にあたっての基本的な方針」も、「内閣官房報償費(以下「報償費」という。)の適正な執行に資するため、平成二二年度において責任を持って報償費を執行する中で、その使途等を検証する。その使途等を検証していく中で、報償費の透明性の確保を図る方策について、検討することとする。」としている。六月一七日の時点では、仙谷内閣官房長官は、平野前内閣官房長官の決定を引き継いで、「平成二二年度において責任を持って報償費を執行する中で、その使途等を検証する」方針であったのではないか。
三 内閣官房報償費(機密費)の使途等の検証期間について、八月三日の衆議院内閣委員会で、私が、「二〇一〇年度の一年間をかけて検証するという立場は変わりないということでいいですね。」と問うたところ、仙谷内閣官房長官の答弁は、「私が官房長官を引き受けまして、一年ぐらいの時間をいただければと思っております。」であった。六月一七日の「内閣官房報償費の執行にあたっての基本的な方針」の中で表明した「平成二二年度において責任を持って報償費を執行する中で、その使途等を検証する」という方針から、「私が官房長官を引き受けまして、一年ぐらいの時間」という方針に変更したのはいつか。
四 本年八月二〇日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七五第五一号。以下「政府答弁書」という。)では、「菅内閣においては、内閣官房報償費の取扱責任者である仙谷由人内閣官房長官が、責任を持ってこれを執行し、その使途等を検証しているところである。同内閣官房長官としては、取扱責任者として内閣官房報償費の使途等を検証するためには一年位の時間が必要であるとの認識である。」としている。「平成二二年度において責任を持って報償費を執行する中で、その使途等を検証する」のでは時間が足りず、「一年位の時間が必要であるとの認識」に至った理由はなにか。
五 鳩山前内閣において、内閣官房報償費(機密費)の情報公開のための使途等の検証期間は、二〇一〇年度一年間であった。菅内閣は、これを仙谷内閣官房長官が官房長官を引き受けてから一年くらいと先送りした。この先送りにより、「報償費の透明性の確保を図る方策について」の検討も時期的にずれ込むことは必定である。民主党政権における内閣官房報償費(機密費)の情報公開の取組の遅れについて、菅内閣は、検証期間の変更の事実及び変更の理由を国民に説明してきたか。
六 八月三日の衆議院内閣委員会で、私は、仙谷内閣官房長官に「平野長官時代に、四、五月、三億円の支出が行われたこの機密費について、何にどれだけ使ったのかということを、その記録は引き継いでおられるんですか」と質問したところ、仙谷内閣官房長官の答弁は、「今塩川議員がおっしゃったような件については全く引き継ぎは受けておりません」であった。ところが「政府答弁書」では、「仙谷由人内閣官房長官は、平野博文前内閣官房長官から、内閣官房報償費取扱要領に基づく支払関係書類を引き継いでいる」としている。仙谷内閣官房長官は、平野前内閣官房長官から、内閣官房報償費取扱要領に基づく支払関係書類を引き継いだのはいつか。
七 仙谷内閣官房長官が引き継いだ内閣官房報償費取扱要領に基づく支払関係書類には、二〇一〇年度に入って平野前内閣官房長官が支出した内閣官房報償費(機密費)の支払先や金額等が、内閣官房報償費取扱要領に基づいて記録されていたのではないか。
八 八月三日、衆議院内閣委員会における仙谷内閣官房長官の「全く引き継ぎは受けておりません」との答弁と「政府答弁書」の「引き継いでいる」との答弁との整合性について説明されたい。
右質問する。