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平成二十二年十二月一日提出
質問第二三九号

歯科医療の充実に関する質問主意書

提出者  秋葉賢也




歯科医療の充実に関する質問主意書


 我が国の歯科医療を取り巻く環境は、高齢化に伴う疾病構造の変化や患者のニーズの多様化等により、大きく変化しつつある。歯科保健医療の重要性が益々高まる一方で、全国的な歯科医師過剰、歯学部等の定員割れや志願者数の激減などの課題も明らかになっている。こうした状況を踏まえ、以下質問する。

一 自公政権下においては、歯の健康が全身の健康に大きな影響を及ぼすことについて、科学的な知見の集積を図る観点から調査研究を進めることは重要であるとし、八〇二〇運動を始めとする疾病予防及び健康増進を目的とした歯科保健医療の充実に努めるとしていた。歯科保健医療については、現政権においてもこの見解が維持されているのか、政権交代後に新たに講じた施策があるのか、改めて政府の見解を確認する。
二 歯科検診は国民の健康増進に重要な役割を果たしている。法的に実施義務があるのは、母子保健法に基づく一歳六か月健診、三歳児健診、学校保健安全法に基づく就学時健診、学校健診に限られている。健康増進法に基づく四十歳以上の基本健診に歯科検診は含まれておらず、歯周疾患の検診の実施は努力規定になっている。国民の健康増進を図る上での歯科検診の重要性を鑑みれば、健康増進法に基づく歯科検診の実施の義務化、労働安全衛生法に基づく労働者への健診に歯科検診を加えることによって、すべての年齢層において法律に基づいた歯科検診を実施できるようにすべきと考えるが、政府のこれまでの取組状況及び立法化の方針の有無を伺う。
三 平成二十年の歯科医師数は約九万九千五百人、歯科診療所数は約六万八千箇所と、歯科医師、歯科診療所は過剰であるとの指摘がある。一方で、平成二十二年度の歯科大学、歯学部数は二十九であるが、そのうち、私立大学の半数以上は定員割れとなっており、志願者数はここ四年間で半減している状況にある。歯科医師過剰の時代においては、歯科医師の養成数を適正に管理する必要があると考えているが、歯科大学・歯学部の定員削減について、政府としてどのように取り組んでいくのか、今後の方針を示されたい。
四 高齢者や寝たきりの者に対する歯科医療、口腔ケアのニーズは一段と高くなっている。それにもかかわらず、居宅への訪問歯科医療を行っている歯科診療所は約十二%にとどまっている。訪問歯科医療を充実させることによって、人々の健康寿命を延伸させることができると思われるが、今後、訪問歯科医の育成や訪問歯科医療を担う診療所の経営に対する支援についてどのように取り組んでいくのか政府の見解如何。

 右質問する。



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