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平成二十三年二月十五日提出質問第七〇号
北方領土問題解決に向けた前内閣総理大臣の発言に対する政府の見解等に関する再質問主意書
提出者 浅野貴博
北方領土問題解決に向けた前内閣総理大臣の発言に対する政府の見解等に関する再質問主意書
本年二月五日、北海道根室市を訪問した鳩山由紀夫前内閣総理大臣は、講演の中で「四島を同時に返せというアプローチであれば、今のような現実の中で未来永劫平行線のままだ」、「二島にプラスアルファという考え方で、プラスアルファの解釈に知恵が必要だ」との発言(以下、「鳩山発言」という。)をしている。前回質問主意書で、「鳩山発言」に対して政府はどのような見解を有しているか、本年二月七日の衆議院予算委員会において、前原誠司外務大臣が「鳩山発言」に関し、「元首相が日本(政府)と異なる考え方をおっしゃるのは控えていただきたい」との旨、述べていることに関し、「鳩山発言」のどこがどう、北方領土問題に対する政府の公式見解と異なるのか問うたところ、「前回答弁書」(内閣衆質一七七第五一号)では「政府としては、北方四島の帰属の問題を解決してロシア連邦との間で平和条約を締結するという基本的方針を堅持しつつ、北方四島の我が国への帰属が確認されれば、実際の返還の時期、態様及び条件については柔軟に対応する考えであり、御指摘の発言はこの考えとは必ずしも一致していないと考える。」との答弁がなされている。右を踏まえ、再質問する。
二 前文の答弁には「北方四島の我が国への帰属が確認されれば」とあるが、政府として、北方四島の我が国への帰属につき、ロシアに対して、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の四島一括の確認を求めるのか、それとも四島全て揃った確認ではなく、例えば一島ずつ、または先に二島といった、段階的な確認を求めるのか、詳細な方針を説明されたい。
三 「鳩山発言」は、我が国として二島のみの返還をもって、北方領土交渉を終わりとするのではなく、あくまで四島の我が国への返還をもって北方領土問題の最終的解決とするが、そのプロセスに、必ずしも四島同時の返還、または我が国への帰属確認は求めないという意味ではないのか。前原大臣の見解如何。
四 北方領土交渉に臨む政府方針として、二で指摘したように、四島の我が国への帰属確認が、四島一括のものであるのか、またはそれぞれに時間差を認める段階的なものであるのかが、前文の答弁を読むだけでは明確ではない。前原大臣として、「鳩山発言」を否定する以前に、右の点につき、まずは政府の明確な方針について説明するべきではないのか。
五 北方領土交渉に関し、二〇〇六年十二月十三日、衆議院外務委員会において前原大臣は、当時の麻生太郎外務大臣に対し、「ただ、一つ私が気になりましたのは、例えば二島先行返還のときもそうだったのでありますが、果たして、そういう議論をされている方々というのは、島の大きさというものをちゃんとわかっておられるのかということなんですね。」と述べていると承知する。前回質問主意書で、北方領土に関して使われる、いわゆる「二島先行返還」の定義に対する政府の見解を問うているが、「前回答弁書」では「政府としては、お尋ねの『二島先行返還』については、一般的に確立した定義はないと承知している。」との答弁がなされている。では前原大臣として、当時どのような認識の下、右で触れたように「二島先行返還」という言葉を用いたのか、前原大臣として、右はどのようなものであると考え、質疑に立たれたのか、詳細に説明されたい。
右質問する。