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平成二十三年三月二日提出
質問第一一五号

政府によるアイヌ民族政策に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




政府によるアイヌ民族政策に関する質問主意書


 二〇〇七年九月十三日、国連総会において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が圧倒的多数で採択されたことを受け、我が国では翌二〇〇八年六月六日、衆参両院において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で可決された。右決議を受け、政府は、アイヌの人々が先住民族であることを認め、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を参照しつつ、アイヌ政策を更に推進し、総合的な施策の確立に取り組む考えを表明するとともに、内閣官房に「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を設置した。現在政府は、一昨年七月の右有識者懇談会の報告を受け、昨年一月から、内閣官房長官を座長とする「アイヌ政策推進会議」を開催していると承知する。右と「政府答弁書」(内閣衆質一七六第一七九号)を踏まえ、質問する。

一 「政府答弁書」では「政府としては、千六百年代には、アイヌの人々が鯨類を捕獲していたとする研究が存在することは承知している。」と、アイヌ民族が過去に捕鯨活動を行っていたことを、政府としても承知しているとの答弁がなされている。過去の質問主意書で、菅直人内閣または民主党内閣として、アイヌ民族側より捕鯨再開を求める要請を受けているかと問うたところ、「政府答弁書」では「御指摘の『アイヌ民族側』の意味が必ずしも明らかでないが、政府としては、政権交代後、アイヌの人々が行う捕鯨の再開についての要請は受けていない。」との答弁がなされている。民主党内閣として、これまでアイヌ民族の文化、伝統としての捕鯨活動の再開を求める要請を、民主党代議士を通じて受けているという事実はないのか。再度確認を求める。
二 過去の質問主意書で、菅内閣として、アイヌ民族の文化、伝統である捕鯨の再開を認める考えはあるかと問うたところ、「政府答弁書」では「鯨資源に関する科学的知見の不足を理由に、国際捕鯨委員会の決定により商業捕鯨が一時中断されている鯨種については、商業捕鯨の再開に向け最大限努力しているところであり、商業捕鯨が再開された場合には、アイヌの人々が行う捕鯨も含め、漁業関係法令に基づき、適切に対処したい。また、それ以外の鯨種に係る捕鯨については、現時点においても、漁業関係法令に基づき、商業捕鯨を行うことは可能である。」との答弁がなされている。右は、アイヌ民族として、国際捕鯨委員会が中断を決定している鯨種以外の捕鯨を行うことは、今すぐにでも可能であるという意味と理解してよいか。確認を求める。
三 二の国際捕鯨委員会が中断を決定している鯨種以外の捕鯨を規定する法令は何か、並びに管轄府省はどこか、それぞれ説明されたい。
四 政府として、前文で触れたアイヌ民族政策の流れを鑑み、アイヌ民族の伝統、文化としての捕鯨につき、国際捕鯨委員会が中断を決定している鯨種以外のものについて認め、積極的に支援策を講ずる考えはあるか。

 右質問する。



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