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平成二十三年五月十日提出
質問第一七一号

東京電力福島第一原発での冷却作業等に従事している作業員に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




東京電力福島第一原発での冷却作業等に従事している作業員に関する質問主意書


 本年五月九日の新聞報道によると、六十代の男性が大阪市西成区のあいりん地区で、東日本大震災により被災した宮城県でのトラック運転手の求人に応募し、採用されたものの、実際には仕事場として連れて行かれたところは福島県の東京電力福島第一原子力発電所であり、そこでの作業に従事させられていたことが明らかになったとのことである。その男性はマスクや防護服を渡され、福島第一原発の五号機と六号機に冷却水を放出するため、ポンプ車にホースをつなげる作業をさせられたとのことである。右男性と同様に、当初は全く別の職種と聞いて応募したものの、実際に従事させられた作業は福島第一原発での作業であったという事例が他に一件あるとも言われている。右を踏まえ、質問する。

一 政府として、前文で挙げた男性の事例の詳細な経緯を把握しているか。
二 前文で挙げた男性の事例に対する政府の見解如何。右は、我が国の法令に違反するものか。
三 本年四月二十一日の衆議院安全保障委員会において、福島第一原発で冷却作業にあたっている方々の人数並びにその所属先、立場について当方が質問したところ、黒木慎一資源エネルギー庁原子力安全・保安院審議官は、「現在、福島第一原子力発電所の現場では、東京電力の職員二百九名、また関連の企業、下請企業の方が百名から二百名働いておりますし、また私ども原子力安全・保安院の保安検査官が三名業務に当たっているということでございます。」との答弁をしている。右答弁では、東京電力の関連企業、下請け企業の方々が百名から二百名と、大ざっぱな数字が挙げられているが、政府として、現時点で右の正確な数字を把握しているか。
四 三の下請け企業、関連企業から来ている者の中に、前文で挙げた男性と同様の経過を経て福島第一原発の作業に従事させられた者はいないか、政府として正確に把握しているか。
五 新聞報道等で、福島第一原発で作業にあたっている作業員の方々は、シャワーも着替えもなく、すし詰め状態の中で床に寝るという、非常に劣悪極まりない状況の中に置かれていることが明らかになっている。また更には、被ばく線量を管理する手帳に正確な記載がなされず、将来的にガン等を発症した際の補償で不利益を被る可能性がある作業員もいるとのことである。右の事例は、まさに三の答弁にある関連企業、下請け企業から来ている方々に該当しているものと考えるが、政府として、その詳細な状況を把握しているか。
六 福島第一原発での作業は、福島県はじめ近隣の東北地方のみならず、我が国全体の命運がかかった、我が国にとって死活的に重要な意味を持つ作業である。その作業に従事している方々には、政府のみならず、我が国国民が等しく敬意を表し、万全の補償体制を取らねばならない。しかし、前文で挙げた男性のように、職を探し、弱い立場に置かれている者が、十分な説明を受けることもなく、弱みに付け込まれる形で当該作業に従事させられることがあっては決してならないと考える。政府として、同様の事例の再発防止を徹底すべく、しかるべき措置を講ずるべきであると考えるが、いかがか。
七 六と同様に、福島第一原発での作業に従事している方々のうち、特に弱い立場にあり、五で指摘したように、被ばく線量の管理手帳に適切な記載をしてもらえないケースが報告されている、三の答弁にある関連企業、下請け企業から来ている方々についても、その置かれている状況を改善すべく、政府としてしかるべき措置を講ずるべきであると考えるが、いかがか。

 右質問する。



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