質問本文情報
平成二十三年六月十六日提出質問第二五二号
検察庁における調査活動費の裏金流用疑惑に対する菅直人内閣総理大臣の過去の取り組み並びに現在の見解に関する質問主意書
提出者 浅野貴博
検察庁における調査活動費の裏金流用疑惑に対する菅直人内閣総理大臣の過去の取り組み並びに現在の見解に関する質問主意書
二〇〇八年四月四日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六九第二三三号。以下、「政府答弁書一」という。)では、検察庁における調査活動費について、「検察庁の調査活動費は、検察庁における事件の調査、情報の収集等の調査活動のための経費である。」と定義されている。二〇〇八年三月二十日付と同月二十一日付の朝日新聞の「内部告発」という記事に、元大阪高検公安部長の三井環氏が実名で検察庁における調査活動費の裏金流用を告発した経緯について書かれた記事(以下、「朝日記事」という。)が掲載されており、それには、検察庁組織において、調査活動費が裏金にされ、幹部職員の飲食費として使われる等、流用された事実がある旨書かれている。右と菅直人内閣により閣議決定された「政府答弁書二」(内閣衆質一七六第一一一号)を踏まえ、質問する。
二 菅総理として、これまで検察庁における裏金問題について、どのような取り組みをしてきたのか説明されたい。「政府答弁書二」では、何ら明確な答弁がなされていなかったところ、改めて質問する。
三 最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁を含む検察庁組織全体において、これまで偽造領収書や虚偽の伝票等により調査活動費が裏金にされ、幹部職員の飲食費として使われる等、流用された事例はあるか否かという問いに対し、前政権によって閣議決定された「政府答弁書一」では「御指摘のような事例は承知していない。」との答弁がなされ、また鳩山由紀夫前内閣としても、昨年一月二十九日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七四第九号)でも、「御指摘のような事例は承知していない。」、「検察庁の調査活動費は、適正に執行されていることから、御指摘のような調査をする必要はないものと考えている。」と、そのような事実はない旨の答弁がなされている。過去の質問主意書で、菅直人内閣としても同様の認識を有しているかと問うたところ、「政府答弁書二」では「検察庁の調査活動費は、適正に執行されていることから、御指摘のような調査をする必要はないものと考えている。」との答弁がなされている。一で指摘したように、過去に厳しくこの問題を追及する姿勢を見せていた菅総理として、なぜ右のような認識を持つように至ったのか、明確な説明を求める。
四 障害者団体等を対象とした低料金の第三種郵便物制度に係る文書を偽造し、実態のない自称障害者団体「凛の会」に同制度を悪用させたとして、厚生労働省の上村勉元担当係長が一昨年逮捕された。右の事件に絡み、文書偽造を上村元係長に指示したとして、一昨年六月に逮捕された村木厚子元同省雇用均等・児童家庭局長の公判が昨年九月十日に行われ、無罪判決が下された。右の事件を受け、最高検察庁においてチームが組まれ、事件の真相解明に向けた作業が行われた。また法務大臣の私的諮問機関である「検察の在り方検討会議」においても、検察改革についての議論がなされ、本年三月末、「検察の再生に向けて」という提言(以下、「提言」という。)がなされた。「検察の在り方検討会議」は、検察への国民の信頼回復を図り、真に検察が社会正義を実現するに足り得る組織へと生まれ変わらせることを目的として設立されたものと考えるが、確認を求める。
五 「検察の在り方検討会議」において、「朝日記事」で指摘されている、かつて検察庁において調査活動費が裏金として流用されたという疑惑が議題となり、議論がなされたことはあるか。
六 五で、ないのなら、それはなぜか。
七 「提言」において、「朝日記事」で指摘されている、かつて検察庁において調査活動費が裏金として流用されたという疑惑について、触れられている箇所はあるか。
八 七で、ないのなら、それはなぜか。
右質問する。