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平成二十三年七月五日提出
質問第二九八号

菅直人内閣総理大臣が自身の出処進退について述べた本年六月二日の発言に対する説明等に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




菅直人内閣総理大臣が自身の出処進退について述べた本年六月二日の発言に対する説明等に関する質問主意書


 本年六月二日、菅直人内閣総理大臣は、衆議院本会議前の代議士会(以下、「代議士会」という。)において次の発言をしている。
「私に不十分なところがあり、野党が不信任案を出すことにつながり、私の不十分さで皆さんにもご迷惑をかけることをおわびしたい。
 三月十一日に発生した東日本大震災の復旧復興の道筋を付け、原発事故の一日も早い収束を図ることに全力を傾注せねばならない。被災者から『遅い』、『不十分だ』と厳しい指摘をいただき、私の指導力、考え方、不十分だった部分も多々あるが、政治家、国家公務員、地方公務員が全力を挙げて取り組んでいることはお互いに確認できるのではないか。
 皆さんに三つ申し上げる。一つは復旧復興に向け、全身全霊をあげて最大限の努力をする。このことを国民の皆さんに改めてお約束したい。
 二つ目は民主党を決して壊さない。壊してはならない。そういう根本に立って行動すると約束したい。三つ目は、自民党に政権を戻すことがないようにしっかり対応していく。このことを私の行動の基本に置いて進めることを約束する。
 野党から『お前が総理では物事が進まないから地位を外れろ』と強い指摘をいただいている。『ありとあらゆることを、地位にしがみつくために発言し、行動している』と厳しい批判をいただいているが、その(総理の)立場、その地位に立った者として責任をしっかり果たせるかを考えて行動してきたつもりだ。
 そうした中で、今回の震災を迎えた。私としては、大震災に取り組む一定のめどが付いた段階、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたいと考えている。
 私にはまだ、松山の五十三番札所から八十八番札所まで、お遍路を続ける約束も残っている。しかし、大震災、原発事故に一定のめどがつくまで、ぜひとも私にその責任を果たさせていただきたい。その責任を皆さんとともに果たさせていただきたい。
 そのためにも、本日、野党から出される不信任案に、皆さん方の一致団結しての否決という対応をぜひお願いしたい。」
 また菅総理は、首相官邸HPによると、同日午後の記者会見(以下、「会見」という。)で発言(http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201106/02kaiken.html)をしている。これと「政府答弁書」(内閣衆質一七七第二六七号)を踏まえ、質問する。

一 「辞意」の定義に対する菅総理の認識如何。
二 「辞意表明」の定義に対する菅総理の認識如何。
三 菅総理として、「代議士会」並びに「会見」において、辞意を表明したと認識しているかとの問いに対し、「政府答弁書」では「お尋ねについては、先の答弁書(平成二十三年六月十日内閣衆質一七七第二二四号。以下「先の答弁書」という。)一から六までについてでお答えしたとおりである。」との答弁がなされている。しかし、右答弁にある政府答弁書の内容を見ても、菅総理が右の場において辞意を表明したか否かは不明確であると考える。右答弁にある政府答弁書の内容とは「お尋ねの『総理発言』は菅内閣総理大臣の民主党代表としての発言であるが、お尋ねの同発言の趣旨等については、平成二十三年六月二日午後の内閣総理大臣官邸における記者会見等において、菅内閣総理大臣が述べたとおりであると承知している。」というものである。「会見」の中のどこに、右の当方の問いに対する答弁が含まれているのか、その箇所を具体的かつ明確に示されたい。
四 菅総理が「代議士会」で行った発言の中に、「私としては、大震災に取り組む一定のめどが付いた段階、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたいと考えている。」との部分があることに関し、これまで過去の質問主意書で、右の「大震災に取り組む一定のめどが付いた段階」、「私がやるべき一定の役割が果たせた段階」とは、菅総理として、菅内閣として、つまり政府として、東日本大震災並びに福島第一原発の事故に関し、具体的にどのような対応が取れた段階のことを示し、具体的に何年の何月頃を指しているのか、問うてきた。しかし、過去の答弁書では、何ら明確な答弁はなされていない。右につき、「政府答弁書」では「前回質問主意書(平成二十三年六月十日提出質問第二四〇号)五及び六の質問については、前回答弁書(平成二十三年六月二十一日内閣衆質一七七第二四〇号)二、三、五及び六についてでお答えしたとおり、平成二十三年六月二日午後の内閣総理大臣官邸における記者会見等の菅内閣総理大臣の発言全体の文脈から明確になっているものと考える。」との答弁がなされている。右答弁にある「記者会見等」の「等」は何を指すのか、具体的に示されたい。
五 「文脈」の定義に対する菅総理の見解如何。
六 菅総理は四の答弁にあるように、「文脈」という表現を用いているが、菅総理として、自身の言う「一定のめど」が具体的に何を指すのか、文脈などと曖昧な表現を用いて明確な答弁を避けるのではなく、「一定のめど」の具体的な政策は何か、事例を挙げて説明されたい。
七 菅総理が辞任の時期を明確にせず、のらりくらりと辞任を先延ばしにしている理由は何かとの問いに対し、「政府答弁書」で菅総理は「菅内閣としては、東日本大震災への対応を含め、各般の施策に全力で取り組み、着実に処理してきているところであり、御指摘は当たらないと考える。」と答弁している。菅総理として、自身が辞任の時期を明確にせず、ただただ辞任を先延ばしにしているという認識はあるか。再度質問する。
八 七の答弁には「東日本大震災への対応を含め、各般の施策に全力で取り組み、着実に処理してきている」とあるが、その具体例を示されたい。
九 「代議士会」及び「会見」における発言により、広く国民、そして諸外国は、菅総理が早期に辞任するものと受け止めたと思料するが、菅総理の認識如何。
十 「政府答弁書」では、「菅内閣としては、菅内閣総理大臣及び閣僚による訪日外国要人との会談、閣僚による外国訪問等により外交案件を着実に処理してきているところであり、御指摘は当たらないと考える。」との答弁がなされているが、「代議士会」及び「会見」が行われて以降、菅内閣により処理されてきた外交案件は何か、その全てを挙げられたい。
十一 本年七月四日、中国で日中外相会談が行われた。中国側は、菅総理が近い未来に辞任し、菅内閣が長くは続かないことを見越した対応をしていたと思料するが、菅総理の見解如何。

 右質問する。



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