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平成二十三年七月二十八日提出
質問第三五九号

外務省職員による情報操作に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




外務省職員による情報操作に関する質問主意書


 本年七月二十二日の東京新聞二十五面に、「本音のコラム 情報操作」との題の、元外務省主任分析官である佐藤優氏の寄稿が掲載されている。その内容は以下の通りである。
 「外務審議官、駐ロ大使を歴任した丹波実氏の回想録『わが外交人生』(中央公論新社)に、情報操作術に関する興味深い記述がある。
 『ブリーフの際あまり質問されたくない、追及されたくないという案件の場合、どの時間帯を選ぶかが重要。午前十一時半が正解である。五分間のブリーフだけで、一斉に飛び出していく。NHKは正午のニュースがあり、新聞は夕刊の締め切りをむかえている』
 『反対にじっくり聞いて欲しいブリーフは、普段の日の午後三時頃がいい。また、NHKの夜七時のニュースは、翌日の朝刊の報道ぶりを引っぱるから、NHKの記者との関係を通じてうまくやることが可能』
 丹波氏は、外務官僚が記者を操作することは当然と考え、『プレスとわれわれは持ちつもたれつの関係で(中略)うまく助けてあげることで、利用あるいは利用される余地がある』とうそぶく。
 この記述は丹波氏が国連局長当時、課長級の中堅幹部に対する講義のメモから引用されている。外務省が組織的に情報操作を行っていることの重要証拠だ。
 また、丹波氏は自らが極秘情報の漏洩した事実を認めている。国民の知る権利を確保する観点から、丹波氏を国会に招致し、外務官僚のリークと情報操作について徹底的に究明する必要がある。」
 右の記事を踏まえ、質問する。

一 外務省として、前文の記事を読み、その内容を把握しているか。
二 前文の記事の中では、丹波實元外務審議官の著書『わが外交人生』の中の記述が引用されている。丹波氏は、著書の中にあるように、かつて外務省国連局長を務めていたと承知するが、その時期を明らかにされたい。
三 丹波氏の著書の百十七ページに、「なお、筆者の国連局長当時に課長、首席事務官を務めた人たち二〇〜三〇人ほどがときどき集まって先輩幹部の失敗談などを聞く会があった。筆者がこの会で話をしたメモ(時期不明)がたまたまのこっているのでこれをこの章の最後に載せておきたい。」との記述の後に、「丹波實 国連局長講話」との小見出しがあり、その中で百二十三ページの「四 プレスとの関係」との小見出しで、前文の記述へと続いているが、丹波氏が国連局長時代、右のような「講話」を行ったという事実はあるか。
四 三の講話は、対外的にオープンにされることを想定されていたものか。
五 前文の記事の中にあるように、外務省として、午前十一時半に報道関係者へのブリーフを行うという事実はあるか。
六 五で、あるのなら、それはどのような理由に基づくものか。丹波氏が著書で述べているように、あまり質問をされたくない、追及されたくない案件についてブリーフを行う場合に、この時間帯を選ぶのか。
七 前文の記事にあるように、外務省として、午後三時頃に報道関係者にブリーフを行うという事実はあるか。
八 七で、あるのなら、それはどのような理由に基づくものか。丹波氏が著書で述べているように、じっくりと報道関係者に聞いてほしい外交案件についてブリーフを行う場合に、この時間帯を選ぶのか。
九 前文の記事にあるように、外務省として、NHKの午後七時のニュースが翌日の朝刊の報道ぶりをリードすることから、NHK記者との関係を重視しているという事実はあるか。
十 前文の記事に書かれている、外務省職員による情報操作は、同省の方針として各職員に指示をし、行わせているものか。
十一 十で、そうであるのなら、それは適切か。外務省の見解如何。

 右質問する。



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