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平成二十三年八月二十五日提出
質問第四二四号

尖閣諸島近海での中国漁船監視船による領海侵犯に対する政府の対応に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




尖閣諸島近海での中国漁船監視船による領海侵犯に対する政府の対応に関する質問主意書


 本年八月二十四日早朝、中国の漁船監視船「漁政二〇一」と「漁政三一〇〇一」の二隻が尖閣諸島の久場島北北東約三十kmを航行し、我が国の領海を侵犯するという事態が起きた。右に関し、佐々江賢一郎外務次官が同日、程永華在日本国中国大使に対して抗議をし、また枝野幸男内閣官房長官が記者会見で、中国側に適切な対応を求める旨の発言をしている。右を踏まえ、質問する。

一 今回の中国漁船監視船による尖閣諸島付近の航行は、我が国に対する領海侵犯に該当するか。政府の見解如何。
二 尖閣諸島付近に中国の各種船舶が侵入する事件は、近年頻繁に起きるようになり、特に昨年九月以降、それが顕著であると考えるが、その背景にはどのような要因があるか。政府の見解如何。
三 菅直人内閣総理大臣として、自身が総理に就任して以来起きた、尖閣諸島付近に中国の各種船舶が侵入するという一連の事件に対し、適切な対応をとってきたと認識しているか。しているのなら、そう考える根拠も併せて示されたい。
四 昨年九月七日、尖閣諸島周辺に侵入した中国漁船が、我が国の海上保安庁巡視船に衝突する事件が起きた。右を受け、同月八日、石垣海上保安部は同漁船の※(注)其雄船長を公務執行妨害の容疑で逮捕したものの、同月二十四日、那覇地方検察庁の鈴木亨次席検事は、その※(注)船長を処分保留として釈放することを発表し、※(注)船長は翌二十五日午前一時半過ぎに釈放され、中国政府のチャーター機で帰国した。その※(注)船長が本年五月二十二日、香港紙のインタビューを受け、昨年九月、連行される際に日本の海上保安庁職員から、右肩を殴られる、左脚を蹴られるといった暴行を受けた、また海上保安庁の巡視船の方から故意に衝突してきた、更には取調べの期間中は、深夜まで眠ることが許されず、「尖閣諸島は日本の領土だ」とする文書に署名することを強要されたとの証言をしたとのことである。しかし政府は、過去の政府答弁書で明らかになっているように、反論の意見広告を出すといった明確な打ち返しをすることもなく、そもそもどのような対応をとったのかについてすら、国民に明らかにしていない。また那覇検察審査会が本年四月十八日、※(注)船長に対して「不起訴は不当で、起訴を相当とする」との議決をし、更に七月二十一日、強制起訴すべきとの議決を下しているが、政府として※(注)船長の公判実現に向け、中国側にどのような働きかけをしているのか、そもそも働きかけをしているのかすら、明らかにしていない。右のような政府の腰の定まらない一連の対応が、中国に対し、我が国に付け入る隙を与え、今回の事態を招く要因となったのではないか。
五 中国による度重なる尖閣諸島付近への領海侵犯に対し、それが起きるたびに抗議をするという方策では、根本的な防止にはならないと考える。そもそも尖閣諸島を巡る領土問題は日中間に存在していないことに鑑みる時、中国の目的が、尖閣諸島を巡る問題が存在することを世界に知らしめる、いわば既成事実化を図ることにあることは明白である。右に対し、政府として今後どのような対応をとる考えでいるのか説明されたい。

 右質問する。



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