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平成二十三年八月二十六日提出
質問第四二六号

震災復興における企業の投資環境整備と雇用創出に関する質問主意書

提出者  木村太郎




震災復興における企業の投資環境整備と雇用創出に関する質問主意書


 政府が今月十五日に発表した平成二十三年四月〜六月期のGDP速報値によると、実質GDPについて前期比マイナス〇・三パーセント、年率換算でマイナス一・三パーセント。一方名目GDPについては、マイナス一・四パーセント、年率換算でマイナス五・七パーセントと大きく低下し、三期連続のマイナス成長となった。東日本大震災を受けてサプライチェーンの寸断など生産において大打撃を受け、輸出が大幅に落ち込んだことが原因としているが、欧州の財政不安の拡大や米国の国債格下げショックと景気失速に対する懸念、更に戦後最高値に迫る超円高は、輸出や景気回復に大きく影響を及ぼし、加えて電力不足の長期化に至っては企業にとって益々打撃となることは明白である。
 震災前、日本企業は、法人課税、円高、製造業派遣の原則禁止などの労働規制、温暖化対策などの政策に苦しみ耐えてきたが、震災後においては、追い討ちを掛けるような菅総理の功利的、一過的な発言により、新たに電力不足が加わって幾重もの経営環境の負荷が重なった挙句、その生産拠点を海外に移転する動きが益々加速している。
 岩手、宮城、福島の被災三県だけ取り上げても、全就業者のうち、第一次産業就業者は六〜十三パーセントに留まり、残る雇用は圧倒的に企業が支えているのが現状である。まさに企業の奮起なくして、被災地の復興はあり得ない。現政権による産業空洞化政策を即刻撤回し、地域の発展に大きく寄与している中小企業の生産性を伸ばし競争力を凌駕できるよう全力で我が国経済と地域経済を立て直すことが急務と考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 政府が発表した平成二十三年四月〜六月期のGDP速報値を受けて、欧州の財政不安の拡大や米国の国債格下げショックと景気失速に対する懸念、更に戦後最高値に迫る超円高は、輸出や景気回復に大きく影響を及ぼし、加えて電力不足の長期化に至っては企業にとって益々打撃となることについて、どのように分析しているのか、菅内閣の見解如何。
二 震災前、日本企業は、法人課税、円高、製造業派遣の原則禁止などの労働規制、温暖化対策などの政策に苦しみ耐えてきたが、震災後においては、追い討ちを掛けるような菅総理の功利的、一過的な発言により、新たに電力不足が加わって幾重もの経営環境の負荷が重なった挙句、その生産拠点を海外に移転する動きが益々加速しているが、どのように次期政権に引き継いでいこうとしているのか、菅内閣の具体的な見解如何。
三 二に関連し、政府は二千二十年までに温室効果ガスを千九百九十年比二十五パーセント削減するとの目標を未だに変えていないが、当面、電力不足を補う石油・石炭などによる火力発電に依存せざるを得ない状況である。菅総理の言う「脱原発」と京都議定書との整合性をどのように説明するのか。また代替する火力発電で使用する燃料費の増加による電気料金の値上げは必至と考えられ、企業を益々追い込んでいくことになるが、どのように対応するのか、菅内閣の明確な見解如何。
四 一〜三に関連し、韓国は、法人税の実効税率が二十パーセント台と我が国に比べ著しく低いことを利して国を挙げて海外企業の誘致策を企図している。韓国企業はその大半が五大財閥のため、国と一体となって政策に取り組み易いとは言うものの、このまま日本企業による技術移転などが加速する恐れは否定できないと考えるが、国としてどのような対策を講じていくのか、菅内閣の見解如何。
五 被災地では産業基盤が壊滅し、雇用の確保が急務である。厚生労働省の調査によると、被災三県だけでも、三月からの四ヶ月間において新規求職者数が十六万三千二百四十二人と、阪神淡路大震災時での、三県とほぼ人口を同じくする兵庫県の約二倍となっており、失業者が多くなったことを表しているが、雇用確保についてどのように対策を講じていくのか、菅内閣の見解如何。
六 EPAにおいては、欧州連合と協定を結んだ韓国に我が国は先を越され、特に被災地に集積する輸出産業などが、円高が大きく影響し、価格競争で熾烈な戦いをしているが、国としてどのように取り組んでいくのか、菅内閣の見解如何。
七 空洞化対策として期待される「総合特区」により、外資を含む成長産業を集積し、地域の発展に大きく寄与している中小企業の生産性を伸ばし競争力を凌駕できるよう全力で我が国経済と地域経済を立て直すことが急務と考えるが、菅内閣の見解如何。
八 七月、菅総理の「脱原発」発言に続き、原発輸出について、成長戦略から外す可能性に言及したが、その後政府は、継続中の輸出交渉は進めると軌道修正した。我が国が脱原発を行ったとしても、米国やインド、中国が原発から撤退するとは到底考えられない。寧ろ海外においては、大震災後も原発の需要が拡大していることを鑑み、世界最高の技術と国際基準を満たした我が国の原発輸出については、周辺諸国で技術が残存することの重要性を踏まえつつ、継続の方向性を明示すべきと考えるが、菅内閣の見解如何。

 右質問する。



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