衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十三年十一月三十日提出
質問第八三号

個別労働紛争の解決促進と社会保険労務士の役割に関する質問主意書

提出者  秋葉賢也




個別労働紛争の解決促進と社会保険労務士の役割に関する質問主意書


 雇用形態の変化等に伴い、平成十三年十月「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」の施行以来、個別労働紛争解決制度の利用は拡大してきた。加えて、平成十九年に米国で起きたサブプライム問題に端を発する急激な円高進行とそれに伴う国内経済の不況と厳しい雇用情勢の長期化により、労使関係をめぐる紛争は増加しており、労働関係において専門性を有する社会保険労務士の活躍が望まれると考える。そこで、以下の点につき、質問する。

一 個別労働関係の紛争解決手段として、裁判手続きのほか、都道府県労働局の紛争調整委員会におけるあっせん等の個別労働関係紛争解決制度や労働審判制度が導入されている。社会保険労務士のうち、厚生労働大臣が定める研修を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格し、かつ、その旨の付記を受けた社会保険労務士(いわゆる「特定社会保険労務士」)が、都道府県労働局の行うあっせんの手続の代理、都道府県労働委員会が行うあっせんの手続の代理等の業務を行うことができるものと了知する。
 1 個別労働関係紛争を裁判手続によって解決を図る場合、それ以外の手段に比べ、紛争当事者に時間的・費用的な負担が過大となることから、裁判外紛争解決手続きとしてのあっせん等の手続き代理の運用が労使関係に関わる紛争の迅速な解決や労使関係をめぐるトラブルの未然防止に繋がる等のメリットが認められる。にもかかわらず、平成二十二年の紛争解決手続代理業務試験の合格者をもってしても、特定社会保険労務士有資格者数は、社会保険労務士登録者の四分の一強にしか達していないと了知する。こうした有資格者数をもって、裁判外手続きによる個別労働関係紛争の解決促進という目的の見地から、政府はどのように評価するのか。
 2 1について、その理由を詳細に伺いたい。
二 個別労働関係紛争に係る社会保険労務士による裁判外紛争解決手続きが不調に終わり、簡易裁判所での訴訟手続きに移行する場合、社会保険労務士には訴訟代理権が認められていないことから、現行の制度上は、代理人として当該訴訟に関与することはできず、そのため依頼者の利便性・経済性を損ねるとの指摘がみられる。「社会保険労務士に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣衆質一七七第四一九号、以下「一七七第四一九号答弁書」という。)において、政府は、「連合会が行っている実績調査を踏まえ、必要に応じ更なる実態把握等を行いつつ」との前置きの上、「社会保険労務士の業務の範囲の拡大を認める必要性及び当該業務を社会保険労務士が行うことによる依頼者の利便性の向上への寄与の度合い」ならびに「当該業務を社会保険労務士が的確に行うための専門能力の確保及びその認定の在り方について検討する」との回答があった。
 1 具体的にどのような結論になったのか示されたい。
 2 仮に、前提とされる全国社会保険労務士会連合会の実績調査結果が判明していないとしても、個別労働関係に係る紛争解決の促進という観点から、「専門能力の確保及びその認定の在り方」について検討がなされるべきものと考えるが、政府は既に検討を行っているのか。検討を行っている場合、検討状況及び検討の内容について伺いたい。
三 一人法人制度の創設について
 1 一七七第四一九号答弁書では、社会保険労務士法人制度のメリットとして、「利用者に対する質の高い多様なサービスの提供」を挙げているが、この問題は、必ずしも複数の社員が共同して業務を分業しなくとも、一人法人化によっても成し遂げられると考える。この点について、政府の見解を伺いたい。
 2 一七七第四一九号答弁書において、政府は、「複数の社員が共同して業務を分業し、専門化」することを社会保険労務士法人制度の存在理由として挙げているが、そうであるのなら、社会保険労務士法人においてそれぞれ専門化された「一社員が疾病や事故により業務を行うことが困難になった状況等において、他の社員が代わって業務を行う」のは、事実上難しく且つ理論上矛盾すると思えるが、この点について政府の見解は如何か。
 3 現行の制度上、社会保険労務士法人の社員が一人になった場合、六箇月以内に二人以上にならなければ法人を解散しなければならないことや、現行制度上事務所資産と個人資産の分離が難しい等デメリットが少なくないことに鑑みれば、一人法人制度の創設は合理的であると考える。一七七第四一九号答弁書で、政府は、この点に関して「可能な限り早期に結論を得るべく検討を進めてまいりたい」としているが、現在までの検討状況について詳細に伺いたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.