衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十三年十二月六日提出
質問第九六号

東日本大震災発生以降における防災に向けた道路整備に関する質問主意書

提出者  木村太郎




東日本大震災発生以降における防災に向けた道路整備に関する質問主意書


 私は本年三月三日に「国民の生命線たる道路に関する質問主意書」(質問第一一六号)を提出し、今後において再発生の確率が高い宮城県沖地震への対応など、特に防災に向けた地域高規格道路及び生活幹線道路整備への取り組み、緊急輸送路の確保について質してきた。これについて、奇しくも三月十一日の答弁書(内閣衆質一七七第一一六号)では、国民の生命と暮らしを守るため、水害、地震、津波等の災害時における緊急輸送や迂回ルートの確保に資する道路整備を進めることは重要としており、東日本大震災発生の当日において、平時におけるごく標準的な答弁であったことは止むを得ないものの、有事或いは緊急の際に国民の生命線ともいうべき輸送路、補給路などを想定した危機の意識については、聊か希薄の謗りを免れないものとなっている。
 今回の大震災を受けて、道路について政府のいう「厳格な事業評価」においては、全く無益な、単なる捌きの儀式であることが身を持って認識したことと考察する。大震災が教えてくれたことは、「日本の存続に不可欠なものは国土そのものであり、それは即ち国防問題に掛かってくる」ということである。そして今後においても、産業の活性化のために高速道路及び道路の使命は重く、欧米先進国に比べ我が国は極端に公共事業を削減していることに著しい危機感を抱くとともに、我が国はその公共投資を今やらねば何時できるのか、国がやらねば誰がやるのかという局面に立たされていると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 我が青森県を含む東北地方は、食料・エネルギーの供給に貢献しているが、南北に列なる急峻な山脈が、地域間交流の妨げになっており、また豪雪地帯が八割を占め、冬期間の道路交通においては大きな足かせにもなっている。大震災が教えてくれた「日本の存続に不可欠なものは国土そのものであり、それは即ち国防問題に掛かってくる」という観点から、またミッシングリンクを解消するため、高規格幹線道路の未整備区間の整備を早急にすべきと考えるが、野田内閣の見解如何。
二 一に関連し、東北地方は水害、続発する確率の高い地震・余震への対応等、防災に向けた地域高規格道路及び生活幹線道路整備への取り組み、緊急輸送路の確保が必須であると考えるが、野田内閣の見解如何。
三 一及び二に関連し、私の地元青森県から強い要望のある東北縦貫自動車道八戸線、八戸・久慈自動車道、国道四五号上北横断道路、国道一〇一号追良瀬バイパス二期工区・五所川原西バイパス・鯵ヶ沢道路などの津軽自動車道、国道七号浪岡バイパス鶴ヶ坂工区事業再開及び常磐バイパス等の四車線化、津軽自動車道へのアクセス道路である国道三三九号五所川原北バイパスなどの整備について、大震災発生以降においてはそれぞれどのように進めていくのか、野田内閣の具体的な見解如何。
四 一〜三に関連し、青森県鯵ヶ沢町から秋田県能代市までに至る日本海沿岸地域は、世界自然遺産白神山地など数々の観光地を抱え、全国屈指の風光明媚なる海岸道路であるが、災害時或いは緊急時においてはその代替路線がない。西津軽能代沿岸道路における国道一〇一号牛島地区のバイパス化、岩崎バイパスの早期着工、須田バイパス、能代拡幅などの整備について、大震災発生以降においてはそれぞれどのように進めていくのか、野田内閣の具体的な見解如何。
五 一〜四に関連し、青森県南津軽地域から秋田県鹿角地域、仙北地域に至るまでには十和田八幡平国立公園、温泉地、田沢湖を抱え、全国有数の観光地となっているが、狭隘・急カーブ・急勾配などに対する安全確保が急務となっている。角館大鰐間における国道二八二号、国道三四一号、国道四六号における盛岡秋田道路角館バイパスの早期完成・供用などの整備について、大震災発生以降においてはそれぞれどのように進めていくのか、野田内閣の具体的な見解如何。
六 政府は、道路事業の実施に当たって、その効率性及び実施過程の透明性を確保するため、厳格に事業評価を実施することが必要としているが、東日本大震災発生以降においても、その方針に変わりはないのか、野田内閣の見解如何。
七 六に関連し、かつて米国の安全技師ハインリッヒが三百三十件の事故のうち、三百件は事故を出さず、二十九件は軽傷を、一件のみが重傷を発生させているという法則を見出し、災害を無くすには怪我に至らなかった事故の摘出と、その排除を図る必要があると指摘しているが、東日本大震災発生以降において、まさに的を射た法則と考えられる。道路事業について今何をなすべきと捉えているのか、野田内閣の見解如何。
八 六及び七に関連し、「簡潔性の原理」を明確にしたゲシュタルトによれば、どんなに立派な道路が出来ていても、それが迂回していると通行せず最短距離を選択するのが人間の行動心理としているが、東日本大震災発生以降において、過疎地域を結ぶ道路や高次医療施設へのアクセス改善等、地域にとって必要不可欠な道路について今何をなすべきと捉えているのか、野田内閣の見解如何。
九 今回の大震災が教えてくれたことは、「日本の存続に不可欠なものは国土そのものであり、それは即ち国防問題に掛かってくる」と考えるが、平成二十四年度予算ではどのように反映していくのか、野田内閣の見解如何。
十 一〜九に関連し、今後においても、産業の活性化のために高速道路及び道路の使命は重く、欧米先進国に比べ我が国は極端に公共事業を削減していることに著しい危機感を抱くものである。我が国はその公共投資を今やらねば何時できるのか、国がやらねば誰がやるのかという局面に立たされていると考える。これまで通り「コンクリートから人へ」の政策理念を継続していくのか、野田内閣の真摯な見解如何。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.