質問本文情報
平成二十五年四月二十六日提出質問第六五号
てんかんに関する総合的な支援の在り方に関する質問主意書
提出者 青柳陽一郎
てんかんに関する総合的な支援の在り方に関する質問主意書
我が国には、公共交通機関が十分整備されているとは言い難い地域が少なくない。こうした地域で自動車を運転できなくなることは大きな不自由を伴う。自動車を運転できない人の移動に関する施策は、病気や障害のある人に限らず、高齢者を含めた大きな課題であり、超高齢社会を迎える我が国の地域社会のあり方そのものが問われている。
交通事故を減らしていくためには、規制を強化するだけではなく、障がい者や高齢者が生活しやすい社会にするための総合的な対策が必要である。
警察庁に設置された「一定の病気等に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会」の提言の「おわりに」においても、「国全体で取り組んではじめて解決できるものである。」とされている。
政府は、てんかんを含む一定の病気のある人を刑罰の対象とする条文を含む、道路交通法改正法案および自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律案を、今通常国会に提出している。
2 前記1で明確な根拠が示されなかった場合、特定の疾患のある人に法的制限を設けることは「差別」と考えられるが、政府の見解を求める。
3 てんかんのある人については、交通事故報道や法律の見直し報道が行われたことから、全国で職場や学校における不利益事例が散見されている。てんかんなどの一定の病気に対する法的な制限を新たに設けるのであれば、これらの病気を理由とした不利益事例が職場や学校などで発生しないよう総合的な政策を実施することが必要と考えるが政府の見解を求める。
4 てんかんは、誰もが発病する可能性のある有病率の高い脳神経の疾患で、その原因、症状、予防は、患者個々人によって異なり、多様性・個別性のある疾患である。しかし、適正な医療により治療可能な疾患であることから、てんかん医療ネットワークの全国的な構築が急務である。
交通事故を減らしていく社会作りの観点から、道路交通法の改正のみならず、てんかんに関する総合的な支援の在り方について、政府の見解を示されたい。
右質問する。