質問本文情報
平成二十五年六月十二日提出質問第一〇三号
日本放送協会の受信料過払い返還に関する質問主意書
提出者 中田 宏
日本放送協会の受信料過払い返還に関する質問主意書
先日、東京都内の男性が日本放送協会(以下、NHKという)の受信料を十二年間にわたって過剰に銀行口座から引き落とされていた事実に気付き、NHKに返還を求めたところ、拒否されたとの話を聞いた。
男性は長女が平成十一年四月、大学進学を機に埼玉県内の賃貸マンションで一人暮らしを始めた際に、二世帯分の受信料を男性の口座から自動引き落としする手続きをとった。長女が十二年十二月に大学を中退し、賃貸マンションを引き払った後も契約終了の手続きを忘れていたため、二世帯分の引き落としが続いていた。二十五年二月にその事実に気付き、NHKさいたま放送局川越営業センターに一世帯分の自動引き落としの停止と過剰に支払った受信料の返還を求めたが、「返還には応じられない」と拒否された。
当該案件については弁護士を通じてNHK本部に同様の請求をしたところ、一転して返還に前向きな意向が示され、現在、返還に向けた手続きが進んでいる。しかし、この他にもNHKが不適切に過払いの返還を拒否し、国民が不利益を被った事例は数多いと推察される。
そこで以下、質問する。
二 放送法は第二十七条で「協会は、その業務に関して申出のあった苦情その他の意見については、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない」と定めているが、今回の事例においてはこの法律を順守しているとは言い難い。国民が正当な理由でNHKに受信料の過払い分の返還を求めた際、どのように対応するべきだと考えるか。政府の見解を示されたい。
三 放送法は第百七十五条で「総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令の定めるところにより、放送事業者、基幹放送局提供事業者、有料放送管理事業者又は認定放送持株会社に対しその業務に関し資料の提出を求めることができる」と定めている。具体的には施行令でNHKに対し受信契約に関する事項の資料を求めることができるとしているが、政府はNHKに対する受信料の過払い返還の請求が何件あり、総額がいくらにのぼるか把握しているか。把握していなければ、潜在的な事例も含めて早急に資料の提出を求める必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。