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平成二十五年六月十四日提出
質問第一〇五号

電源開発促進税のあり方に関する質問主意書

提出者  小池政就




電源開発促進税のあり方に関する質問主意書


 電源開発促進税は、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律第三十六条第二項及び特別会計に関する法律第九十一条第一項に基づき、一般会計を経由してエネルギー対策特別会計の電源開発促進勘定に繰り入れられてきた。
 その歳出項目は、電源立地対策費、電源利用対策費、原子力安全規制対策費や独立行政法人への運営費等となっており、これまで主として原子力発電所を建設するための地元対策として利用されてきたものである。電源開発促進税は電気料金に上乗せする形で広く国民から徴収されているが、平成二十三年三月十一日の東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に原子力発電所の維持・新設が困難になった現状を鑑みれば、その使い道や制度の在り方そのものについて抜本的な見直しを行うべきであると考える。
 以下政府の考えを明確にご回答いただきたい。

一 平成二十五年五月二十八日の衆議院本会議で、茂木敏充経済産業大臣は「電源開発促進税は、原子力のみならず、水力発電、地熱発電等の設置の促進などにも充てられています。」と答弁している。電源開発促進税において、原子力以外の項目の金額はごく一部と言われているが、現状では、電源開発促進税による支出のうち、原子力発電への支出がいくらでそれ以外の電源への支出がいくらかということが、公表資料においては明確に示されていない。電源開発促進税の支出につき、直近の決算に基づき電源別に内訳を示されたい。また、今後は電源別に数値を取りまとめ、公表すべきであると思われるところ、政府の見解を示されたい。
二 我が国のほとんどの原発が停止している現状にもかかわらず、電源開発促進税の電源立地対策費で実際に行っている事業のほとんどが原発関連であると言われており、東日本大震災の前後でほとんど歳出規模は変わっていない(平成二十二年度三千四百六十三億二千二百四十四万三千円、平成二十三年度四千七十五億五千二百五十四万三千円、平成二十四年度三千百三十五億三千三百十万四千円、平成二十五年度三千二百二十一億五千三十五万円)。むしろ、平成二十四年度から原子力安全規制対策費という項(平成二十四年度百四十九億二千百七万円、平成二十五年度二百九十億四千二百十七万千円)が新設されたことを踏まえれば、原発関連への支出は増加しているといえる。先述の平成二十五年五月二十八日の本会議において、茂木敏充経済産業大臣は「電源開発促進税のあり方については、必要に応じて、しっかりと検証を行ってまいります。」とも答弁しているが、東日本大震災以降、国民的に原子力発電所の新設・推進に否定的な意見が多い中で、これまでの原発を中心とした電源開発促進税の在り方については、見直しの必要性に迫られていると考えられる(平成二十五年五月二十三日発表のNHKによる世論調査結果では「原発は減らすべき」と「原発は全廃すべき」が68.1%)。
 我が国では、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進する方針を示しているところ、電源開発促進税の大半が事実上原発の関連事業に利用されている状況を抜本的に見直し、例えば、電源開発促進税の中で再生可能エネルギーに関する区分を設け他の電源への充当を禁ずるといった思い切った制度設計に基づく改革を通して、中長期的な再生可能エネルギーの導入促進とともに、原子力発電の利用の減少へ向けて舵取りをする施策が必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。
三 電力システム改革の進展に向けて、現在、国会において電気事業法の一部を改正する法律案が審議されているが(みんなの党では、対案として電力自由化推進法案を参議院に提出している)、原子力発電所の維持のための周辺対策等に多額の予算(電源立地対策費、電源利用対策費:平成二十二年度二千八十五億九千三百四十万四千円、平成二十三年度二千七百三十一億千百二十五万九千円、平成二十四年度千六百七十九億六千九百九十五万八千円、平成二十五年度千六百九十六億八千八百四十八万六千円)が使われている現状のままでは、原発を持つ既存の大手発電事業者への事実上の優遇が続くだけであり、自由化後の電力市場に新規参入することが想定される原発を持たない小規模の電気事業者は、競争環境上不利な立場に置かれることになる。
 先述の平成二十五年五月二十八日の本会議では、茂木敏充経済産業大臣は「電力自由化の推進と原子力政策の今後のあり方は、いずれにせよ別途の課題であり、電源開発促進税をはじめとする特定の電源の設置等に対する国としての支援のあり方を見直すことに直結するものではありません」と答弁しているが、電力自由化とその際の公平な競争条件の確保とは密接不可分な課題である。電力システム改革の実施に伴い、原子力発電所を持つ発電事業者とその他の発電事業者との公平な競争条件の確保のため、電源開発促進税の運用に関しても、新規事業者の参入を促進するための格差是正措置を導入するべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 電源開発促進勘定からは、東京電力福島第一原子力発電所事故を経てなお、日本原子力研究開発機構、原子力安全基盤機構に事故以前とほぼ同じ水準の金額(平成二十二年度千二百七十一億五千六百三十一万五千円、平成二十三年度千二百十七億四千五百八十万円、平成二十四年度千百五十八億六百一万八千円、平成二十五年度千百六十一億九千四百三十万六千円)の運営費等が交付されている。原子力発電所の事故を契機として日本原子力研究開発機構、原子力安全基盤機構への支出を見直す予定はあるか。具体的に示されたい。
 また、日本原子力研究開発機構及び原子力安全基盤機構には、経済産業省等の省庁からのいわゆる「天下り」やその他の再就職の役員・職員も多数在籍しているが、それぞれの法人に当該役員・職員は何名在籍しているのか。併せて、出身母体である行政機関、当該役員・職員の最終官職及び現在の年収はいくらであるかについても明確に示したうえで、いわゆる「天下り」やその他の再就職についての政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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