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平成二十五年六月二十四日提出
質問第一二一号

最高指揮官たる安倍総理の覚悟と自衛官の身分保障に関する質問主意書

提出者  柚木道義




最高指揮官たる安倍総理の覚悟と自衛官の身分保障に関する質問主意書


 昨今の尖閣諸島における緊張状態を鑑みるに、領土防衛の先鋭となる海上自衛官及び航空自衛官が直面するリスクは日々増大する傾向にあると考える。また、今国会提出の自衛隊法改正案では、在アルジェリア邦人に対するテロ事件を受けて、海外における邦人等保護を要する者を陸上輸送ができるようにするものであり、陸上輸送を担任する陸上自衛官の任務が拡大し、現地の安全を確認した上とはいえ、これまで以上に生命の危険にさらされると考えるものである。最高指揮官たる安倍総理の直面する隊員の生命に対する責任の重さは推し量るべきものではないと察するところである。
 しかしながら、自衛官が危険を前に職責を全うしなければならない状況になる昨今の事情を鑑みるに、国家防衛と国民の生命と財産を守るために自らの命をささげる自衛官の努力に報いるためにも、最高司令官たる安倍総理は、自衛官に対する国民一般からの絶対的な信頼と尊敬を得んとするために自ら率先して自衛官の職務の崇高性を国民に理解されるように努めるべきと考えるところである。確かに、災害派遣等で自衛隊に対する国民感情が好転しつつあるところであるが、未だに迷彩服で通勤している自衛官を批判するような事例も少なからず報告されると聞くところである。安倍総理は、こうした自衛官を取り巻く社会環境を改善し、国民一般から尊敬の念をもって迎えられるような社会環境整備をするべく何らかの施策を考えておられるのかお示し願いたい。
 また、緊迫した国際状況における哨戒及び国境警備業務や新たに業務として加えられる国外における邦人の陸上輸送業務などは、これまで以上に危険度が高いといえる。そのような状況において、最高司令官たる安倍総理の決断は、「自衛隊のいのちを預かる決断」であり、危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえることを誓い、国益のために殉ずる覚悟で出動する自衛隊員の生命を無駄にすることなく、できうる限り安全に任務が遂行できるべく配慮をしなければならないと考えるところである。しかるに、決断に際しては、信用にたる情報と経験と知識に基づく情報解析が必要である。政府においては、これまで多方面で収集されてきた情報を一括管理するべく、政府内に安全保障にかかる部局を立ち上げるべく計画していると聞くところであるが、平成二十五年一月のアルジェリア人質拘束事件においての情報収集能力及び解析能力などを考察するに、十分な情報管理能力があったとは言い難い状況と断じざるを得ない。このような状況にあっては、今後、統合的な運用を始めたとしても十分な情報収集と解析が実行できるとは信じがたく、国民と自衛隊員の命を預かる安倍総理に冷静な決断ができるとはいえないのではないかと危惧するところである。政府においては、最高司令官たる安倍総理が重大な決断をされるときにおよび信頼に足る情報を提供するためにどのような施策があるのかお示しいただきたい。
 あわせて、危険に従事する自衛隊員の後顧の憂いをたち、強い責任感をもって専心職務の遂行にあたれるように恩給制度とまでいかないまでも十分な補償制度が完備されてしかるべきと考えるものである。しかしながら、現状を確認するに、PKO派遣に際しても自衛官の多くは、PKO保険などの民間保険に自らの給与より加入している状況である。国民と国家のために殉ずる覚悟で危険な業務につくのであり、たとえば、PKOであれば、国家と国民の名誉のためにPKO派遣されるのであるから、こうした保険も自衛隊員自らの給与から支出させるのではなく、本来であれば派遣を命じた国家が負担してしかるべきものと考えるところである。最高司令官である安倍総理の見解をお示し願いたい。

 右質問する。



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