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平成二十五年八月二日提出
質問第一号

沖縄市サッカー場改修工事現場で発見された在沖米軍遺棄・埋設ドラム缶からのダイオキシン類検出及び枯れ葉剤問題に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




沖縄市サッカー場改修工事現場で発見された在沖米軍遺棄・埋設ドラム缶からのダイオキシン類検出及び枯れ葉剤問題に関する質問主意書


 本年六月十三日、米軍基地返還跡地である沖縄市サッカー場改修工事現場から在沖米軍遺棄・埋設のドラム缶が発見された。以来、今日まで同工事現場からは計二十六本のドラム缶が見つかっている。
 沖縄市が独自で実施し、去る七月三十一日に公表した調査結果によると、ドラム缶から採取した周辺液体や付着物の一部、計二十二検体全てからダイオキシン類が検出され、最大で水質基準値の二八〇倍、土壌基準値の八.四倍にも達した。同調査では、枯れ葉剤の主要成分でダイオキシン類の中でも最も毒性が高いとされる「2・3・7・8−TCDD」も検出されている。なお、「2・3・7・8−TCDD」は、七月二十四日公表の沖縄防衛局調査結果でも検出が明らかにされた。
 このほど発見された在沖米軍遺棄・埋設ドラム缶のうち十六本には、ベトナム戦争当時の枯れ葉剤製造最大手企業「ダウ・ケミカル」の社名が記されていた。ダイオキシン類検出の事実と総合するに、係るドラム缶が枯れ葉剤容器であった蓋然性は極めて高い。
 私は、在沖米軍基地の存在は、沖縄県民の生命・身体の安全を脅かし、環境破壊等の元凶だと考える。同時に、日米地位協定が米軍基地返還に伴う原状回復や補償義務を免除していることが、本問題の根源にあると思料するものである。
 以下、質問する。

一 政府は、在沖米軍遺棄・埋設のドラム缶が発見された沖縄市サッカー場改修工事現場一帯の基地返還跡地について、返還前の使用目的、使用形態、使用部隊等の「使用履歴」及び化学物質の「管理履歴」を明らかにされたい。
二 在沖米軍遺棄・埋設のドラム缶から採取した周辺液体や付着物の調査結果は、沖縄防衛局実施(七月二十四日公表)のものと沖縄市実施(七月三十一日公表)のものとの間で、ダイオキシン類等検出物質の数値に差異が見られ、とりわけ、沖縄防衛局実施の調査ではポリ塩化ビフェニール(PCB)が検出されなかったのは何故か。それぞれの調査手法や採用基準の根拠を明らかにした上で、政府の見解を示されたい。
三 今後の基地返還跡地利用が円滑かつ速やかに進むよう、返還前の基地「使用履歴」及び化学物質の保管・貯蔵の有無を明らかにする「管理履歴」の提出を在沖米軍に義務付ける旨、日米合同委員会の場で提起・合意し、制度化すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
四 現行日米地位協定上、基地返還跡地について米軍に原状回復や補償義務が課されていない以上、本件ダイオキシン類検出ドラム缶問題の責任は基地提供者たる政府にあるのは明白である。したがって、在沖米軍遺棄・埋設ドラム缶発見現場の全域かつ深部までに至る地中探査及び周辺地域の水質調査並びに周辺住民の健康被害調査をはじめ、当該ドラム缶の廃棄や汚染土壌の処理等の全てについて、政府は速やかかつ丁寧に実施し、沖縄県あるいは沖縄市実施分も含めた調査費用と補償の一切を全額国庫負担とするのが当然だと考えるが、政府の見解を示されたい。
五 いわゆる「枯れ葉剤」は、「オレンジ剤」以外にも構成物質や配合が異なる「ピンク剤」「グリーン剤」「ホワイト剤」「パープル剤」「ブルー剤」など多種類あると承知している。ベトナム戦争当時、米軍が密林を枯らすことを目的にベトナム現地で散布したとされる、いわゆる「枯れ葉剤」の全てについて、それぞれの名称と構成物質を成分毎に示されたい。
六 韓国では、二〇一一年に元米兵が枯れ葉剤を埋めたとする証言が報道された際、米軍と韓国政府がわずか二週間で合同調査団を発足し、調査を開始した。係る韓国での前例に倣い、政府・防衛省は米政府・米軍との間に「合同調査団」を発足させ、本件ダイオキシン類検出ドラム缶問題をはじめ、この間の多数の元在沖駐留米兵らの証言に基づく沖縄への枯れ葉剤持ち込み疑惑の真相究明に主体性を持って乗り出すべきだと考えるが、見解を示されたい。

 右質問する。



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