質問本文情報
平成二十五年十月十七日提出質問第八号
MV22オスプレイを使用した日米共同訓練と日米地位協定に関する質問主意書
提出者 照屋寛徳
MV22オスプレイを使用した日米共同訓練と日米地位協定に関する質問主意書
私は、欠陥機MV22オスプレイ(以下、オスプレイという)の米軍普天間飛行場への強行配備と、それに伴う沖縄本島各地における訓練強行に強く反対するものである。
欠陥機オスプレイの沖縄配備によって、多くの県民が同機から発せられる激しい爆音や低周波音被害に苦しめられ、墜落の恐怖に苛まれる日常を強いられている。オスプレイは、昨年、日米両政府間で合意した飛行ルートなどの運用ルール、安全基準すら守らずに、やりたい放題の訓練を行っているのが実態だ。
したがって、私を含め、多くの沖縄県民は、米軍普天間飛行場に強行配備されたオスプレイによる訓練の即時中止と同機の一日も早い撤去を強く求めているのである。
一方、政府は、オスプレイを本土各地の自衛隊基地における日米共同訓練に使うことで、沖縄の基地負担を軽減させる、と大々的に宣伝している。だが、ごく短期間にわずか数機のオスプレイを県外に派遣したところで、沖縄の基地負担軽減につながらないことは明白だ。
しかも、本土各地の自衛隊基地等における日米共同訓練は、いわゆる在日米軍の地位に関する日米協定(以下、日米地位協定という)を形骸化させる運用によって実施されているようだ。大いに疑問視せざるを得ない。
以下、質問する。
政府は、上記二件の日米共同訓練の名称を示したうえで、当該訓練の予算額及び日米の負担割合、並びに訓練目的と内容、参加した在沖米海兵隊、自衛隊それぞれの部隊名とその人数、オスプレイ使用の訓練期日、使用機数について明らかにされたい。
二 日米地位協定第二条第四項(b)は「合衆国軍隊が一定の期間を限って使用すべき施設及び区域に関しては、合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない」と定めている。
同条文にいう「適用があるこの協定の範囲を明記」とは何を指すのか、特に「明記」の方法等手続きについて具体的に説明されたい。
三 今回、陸上自衛隊饗庭野演習場で実施されている日米共同訓練は、あらかじめ日米間で使用施設や区域、期間等を協議のうえ合意し、防衛省は米軍による同演習場の使用等その内容について十月一日付で告示したようである。一方で、十月二十五日に陸上自衛隊高知駐屯地、航空自衛隊土佐清水分屯基地やその周辺区域で実施予定の「日米共同統合防災訓練」に関しては、防衛省は、同様の告示手続きを行わない方針のようだ。
上記二件の日米共同訓練における米軍による自衛隊施設及び区域の使用にあたり、当該告示手続きの有無について相違があるのは、いかなる理由に基づくものか、根拠を示したうえで政府の見解を示されたい。
四 上記二件の日米共同訓練に関し、日米地位協定第二条第四項(b)に基づき在沖米海兵隊が使用した自衛隊施設及び区域等の当該訓練期間中の管理権は、自衛隊、米軍のいずれの側にあるのか、それぞれの訓練について明らかにされたい。
五 一義的に、日米地位協定第二条第四項(b)に定める「一定の期間」とは何日間かを明らかにしたうえで、その根拠を示されたい。
六 一義的に、日米地位協定第二条第四項(b)に定める「一定の期間」において、米軍が使用している我が国の「施設及び区域」の管理権は日本側、米側いずれにあるのかを明らかにしたうえで、その根拠を示されたい。
七 去る十月十六日、陸上自衛隊饗庭野演習場におけるオスプレイを使用した日米共同訓練を受けて、同訓練を視察した武田良太防衛副大臣は、同行の報道陣に対し「安全性を理解してもらう上で非常にいい実績を上げた」と述べている。一方、小野寺五典防衛大臣は「本土での訓練受け入れが広がれば、沖縄の負担軽減につながる。今回が第一歩だ」と記者団に語っている。
政府は、オスプレイの「安全性を理解してもらう」ために、日米共同訓練で同機を使用しているのか、それとも「沖縄の負担軽減につながる」ものとしてオスプレイを使用しているのか、見解を示されたい。
他方、十月十六日の日米共同訓練を受けて、沖縄県幹部は「今回は参加機数が少なく日数も短い。沖縄が求めるレベルの負担軽減につながるかはまだ分からない」と指摘している。(二〇一三年十月十七日付「毎日新聞」朝刊)
政府は、オスプレイを使用した日米共同訓練を重ねることで、同機配備に対する「沖縄の理解」を得られると考えているのか、見解を示されたい。
右質問する。