質問本文情報
平成二十六年五月二十二日提出質問第一七三号
「検察の理念」を踏まえた法務省の過去の反省への取り組み等に関する質問主意書
提出者 鈴木貴子
「検察の理念」を踏まえた法務省の過去の反省への取り組み等に関する質問主意書
本年四月三十日、法務大臣の諮問機関であり、録音・録画等による取り調べの可視化の制度化等を検討してきた法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」が開催され、過去二十五回の議論をまとめた試案(以下、「試案」とする。)が提示された。右を踏まえ、質問する。
二 「試案」は、一で触れた菅家さんや村木元局長の事件、そして「検察の理念」を踏まえ、過去の不祥事に対する検察の真摯な反省が十分になされたものであると言えるか。谷垣禎一法務大臣の「試案」に対する評価如何。
三 谷垣大臣として、現在の法務省は、「検察の理念」を十分に踏まえた上で職務にまい進していると言えると認識しているか。言えるのなら、その具体的根拠を踏まえ、説明されたい。
四 一九六六年に静岡県で発生した強盗殺人放火事件で犯人とされ、死刑が確定した元プロボクサーの袴田巖氏に対し、本年三月二十七日、静岡地方裁判所は、死刑および拘置の執行停止と再審開始を決定した。その一方で、静岡地検は同月三十一日、即時抗告を行っている。菅家さんや村木元局長の事件を受け、検察として「検察の理念」を策定し、また法制審議会において「試案」を出し、取り調べの可視化に向けての議論を進め、国民の理解を得るべく努力してきたことが、この即時抗告により一瞬にして水泡に帰すことになったと考えるが、谷垣大臣の見解如何。
五 本年四月一日に行われた衆議院法務委員会における、当方の質問に対する法務省林刑事局長の答弁を見ても、法務省、検察庁として、「検察の理念」を踏まえた真摯なものとは感じられず、法務省、検察庁としての反省は十分ではないと考えるが、谷垣大臣の見解如何。
右質問する。