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平成二十六年五月二十八日提出
質問第一八二号

私立大学等への補助金に関する会計検査院報告に関する質問主意書

提出者  大熊利昭




私立大学等への補助金に関する会計検査院報告に関する質問主意書


 平成二十四年六月に会計検査院が公表した会計検査報告のうち、「私費外国人留学生に対する授業料の減免において、経済的に修学困難な留学生の減免に係る選考基準が明記された規程等を整備させることなどにより、私立大学等経常費補助金(授業料減免特別補助)の交付が制度の趣旨に沿って適切に実施されるよう是正改善の処置を求めたもの」(以下「私費留学生授業料減免特別補助に関する会計検査院報告」)では、授業料減免特別補助を実施した私立大学等に係る学校法人の数三百三十七学校法人(補助金交付額十二億三千九百二十二万余円)から調査対象に選定した二十五学校法人(補助金交付額二億八千七百六十九万余円)のうち、二十一学校法人(補助金交付額二億五千五百九十九万余円)において、不適切な補助金の申請が行われていたと指摘されている。その発覚率は、実に、法人数ベースで約八十四%、交付額ベースで約八十九%という、驚異的な高さである。また、平成十五年度から平成二十四年度までの会計検査報告では、日本私立学校振興・共済事業団に対し、経常費補助金申請における専任教職員数の水増しと同一もしくは極めて類似性の高い内容の不当経理が繰り返し指摘されており、その数は十年間の合計で四十以上の学校法人に及び、金額ベースでも総額三億円を超えている。
 このことを踏まえ、以下、質問する。

一 不当、不適切との指摘を受けたこれらの補助金、すなわち国民の税金は、その後どのように処理されたか。
二 平成二十五年二月二十日提出の質問主意書「私立大学等への補助金に関する質問主意書」における、
 「五 会計検査院による指摘を含む不当、不正な経理について
  (一) 会計検査院により、大学等への補助金等のうち、研究者ではなく学校法人が行った不当な経理が指摘される例があるが、こうした学校法人による不当経理等を防止する仕組みへの取り組みは如何に。
  (二) 文部科学省は、研究者を対象に「預け金」「プール金」を含む公的研究費の不適切な経理に関する調査(平成二十三年十二月二十八日提出期限)を実施したところであるが、同様の調査を、研究費に限定せず施設整備費等にも広げ、学校法人およびその会を構成する理事、事務職員等に対しても行う必要はないのか。」
 の質問に対して、答弁書は、
 「五の(一)について
  お尋ねについては、会計検査院により指摘された事項について、文部科学省及び日本私立学校振興・共済事業団において、関係する学校法人等に対する周知を図るとともに、その適正な事務の実施を促している。
  五の(二)及び六について
  御指摘の取組は、御指摘の「研究費」については、不適切な経理に係る事案が依然として生じている状況を踏まえ、その不正使用を防止するために行っているものである。一方、御指摘の「施設整備費等」については、御指摘の「研究費」と同様の状況にあるとは考えられないことから、現時点では、御指摘の取組を行うことは考えておらず、・・・」
 旨答えている。「私費留学生授業料減免特別補助に関する会計検査院報告」の指摘した、不適切な補助金申請の事実を踏まえても、これらの答弁には変わりはないか。
三 「私費留学生授業料減免特別補助に関する会計検査院報告」の調査結果は、三百三十七学校法人のうち高々二十五学校法人を選定して行った結果に過ぎず、今回は調査対象となっていない学校法人に調査対象を広げて再調査した場合、さらに不適切な補助金申請が発覚する可能性が高い。「私費留学生授業料減免特別補助に関する会計検査院報告」の公表後、文部科学省はそうした再調査を行ったか否か。行っていない場合、その理由は何か。
四 「私費留学生授業料減免特別補助に関する会計検査院報告」が指摘した事実は、学校法人が補助金申請にあたって、本来、前もって行っておくべき、必要な内部規則の制定を十二分に行っていなかったという点において、管理運営に適正さを欠く補助金申請ということができる。平成二十五年十一月二十九日提出の質問主意書「私立大学等改革総合支援事業、私立大学の公共性、内部統制ならびに補助金に関する質問主意書」において、
 「三 (中略)
  (二) そうした内部統制を実効あらしめるため、私立大学等では学内規則を整備し、理事等や学長を含めた、すべての関係者がそれを遵守しなければならないと考えるが、いかがか。・・・」
 の質問に対して、答弁書は、
 「学校法人においては、必要な学内諸規程の整備を図るとともに、当該学校法人の役員及び教職員等は当該規程を遵守する必要があると考えている。また、当該規程への違反を含め、その管理運営が適正さを欠くとの事実が確認された学校法人に対しては、指導を行うとともに、必要に応じて私立大学等経常費補助金を減額して交付し、又は交付しないこととしている。」
 旨答えている。いうまでもなく、私立大学等への補助金は国民の税金であり、正しく交付され、使用されているかは常に厳しくチェックされなくてはならないが、平成二十六年四月一日より、消費税率が五%から八%に引き上げられ、国民の税負担が増していることを受け、これまで以上に、私立大学の補助金へのモニタリングを厳格化させる必要はないか。また、そのために、「私費留学生授業料減免特別補助に関する会計検査院報告」をはじめとした一連の会計検査院報告を受けて、今後、文部科学省や日本私立学校振興・共済事業団の調査活動を拡充し、またそのための機能を強化する必要はないか。

 右質問する。



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