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平成二十六年五月二十八日提出
質問第一八四号

いわゆる袴田事件に係る再審請求決定に対する即時抗告等に関する再質問主意書

提出者  鈴木貴子




いわゆる袴田事件に係る再審請求決定に対する即時抗告等に関する再質問主意書


 昭和四十一年に静岡県で発生した強盗殺人放火事件で犯人とされ、死刑が確定した元プロボクサーの袴田巖氏は、冤罪を訴え、再審請求を行ってきた。その袴田氏に対し、本年三月二十七日、静岡地方裁判所は、死刑および拘置の執行停止と再審開始を決定した。右と「政府答弁書」(内閣衆質一八六第一五〇号)はじめ過去の関連答弁書、並びに「前回答弁書」(内閣衆質一八六第一六三号)を踏まえ、再質問する。

一 袴田氏は四十八年もの間身柄を拘束され続けてきたが、今回袴田事件の再審が決定したことで身柄が釈放された。右に対する政府の見解、更には一人の国民の自由がこのように長期間奪われ続けてきたことに対する安倍晋三内閣総理大臣の率直な見解を求めたところ、過去の答弁書では「現在再審請求審係属中の刑事事件に関わる事柄については、お答えすることを差し控えたい。」との答弁が繰り返されていた。右の答弁内容を決めたのは、安倍総理ご自身の判断であるのかとの問いに対し、「政府答弁書」では「法務省刑事局において起案し、同省においてしかるべく決裁を経た上で、内閣として決定したものである。」との答弁がなされている。右の決裁に関わった者の官職氏名について、「前回答弁書」では「お尋ねの答弁書の決裁に関与した職員について、その官職氏名を明らかにする必要があるとは考えていない。」との答弁がなされている。法務省として、「その官職氏名を明らかにする必要があるとは考えていない」と考える理由は何か、改めて説明されたい。
二 袴田氏の弁護団、支援者は、袴田氏が逮捕された当時、時に一日十時間以上の長時間に渡る取調べを受け、しかもその際に、警察官により棍棒で殴られる等の熾烈な暴力にさらされたと訴えている。右の経緯につき、政府、特に法務省、検察庁として調査をしているか。調査結果云々は問うことはしないところ、調査をしているか否かのみ、明らかにされたいとの質問に対し、過去の答弁書では「現在再審請求審係属中の刑事事件に関わる事柄については、お答えすることを差し控えたい。」とされていた。調査をしたか否かだけを明らかにすることすらできないのはなぜか、それを明らかにすることにより、再審請求審係属中の刑事事件にどのような影響が出るというのかとの問いに対し、「政府答弁書」では「裁判所に予断を与える」とされている。調査の有無を明らかにすることを公にすることが、裁判所に予断を与えることになると政府が考える理由について、「前回答弁書」では「現在再審請求審係属中の事件における公表していない捜査機関等の活動内容を裁判所に推知させることとなるため、裁判所に予断を与えるものと考える。」とされている。冒頭述べた、袴田氏が逮捕以来受けたとされる行為については、各種報道機関により報道され、広く周知されているものである。そのことに対し、当事者たる政府として調査をすることはいわば当然であり、仮に調査をしていることを公にしたところで、当たり前の事実が述べられたにすぎず、裁判所に予断を与えることにはならないのではないのか。何故に予断を与えると考えるのか、答えられたい。
三 今回の即時抗告を最終的に判断し、決定した者は誰であるのかとの問いに対し、「政府答弁書」では「御指摘の即時抗告については、静岡地方検察庁検察官により行われた」とされているが、当方は、即時抗告の事務的手続きを行った者を問うているのではない。即時抗告を行うという判断に最終的責任を負う者は誰であったのかを問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねの『最終的責任を負う者』が具体的に何を指すのか必ずしも明らかでない」とされている。当方は、端的に言えば即時抗告を行うと判断した責任者は誰かと問うているところ、明確に答えられたい。
四 袴田事件の即時抗告をするにあたり、静岡地方検察庁は上級庁に一切相談しなかったのか。

 右質問する。



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