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平成二十八年一月六日提出
質問第二一号

生活保護の被保護者への指導等に関する質問主意書

提出者  初鹿明博




生活保護の被保護者への指導等に関する質問主意書


 大分県別府市が、市内のパチンコ店と市営別府競輪場を巡回し、生活保護受給者がいないか調べて回り、見つけた被保護者二十五名を市役所に呼びつけて、行かないように注意をしていたことが明らかになっています。さらに、調査した五日間で再び見つけられた被保護者については、保護費の支給を一か月間大幅に減額していました。
 生活保護法第二十七条には、保護の実施機関による、被保護者に対する指導又は指示についての規定がありますが、同条第二項には「指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない」とあり、本件は明らかに最少限度を越える指導で、この規定に反するものであります。
 また、生活保護制度は最低限度の生活を保障するための制度であり、支給の決定後、収入が増加した訳ではないのにも関わらず、支給額を大幅に減額してしまえば、最低限度の生活が維持できなくなることは明らかであります。
 確かに生活保護を受給していながらパチンコや競輪等の賭け事にお金を浪費することは、納税者の理解を得難いことではありますが、そのことをもって直ちに保護費の支給を取りやめたことは、生活保護制度の趣旨に照らして認められるものではありません。
 本来なら賭け事に頻繁に通っていることが分かったならば、生活習慣を変えるための支援を行ったり、ギャンブル依存症の可能性があれば、そこからの回復のプログラムにつなげる等の被保護者に寄り添った支援をするべきであって、保護費の支給を停止することでは抜本的な解決にはつながりません。
 以上の観点から以下質問します。

一 別府市のようにパチンコ店等を巡回して、被保護者の金銭の使い道を事実上監視するような形での指導が、生活保護法の趣旨に適ったものと言えるのか、政府の見解を伺います。
二 パチンコ店に行っていたという理由のみで保護費の支給を取りやめることは適法とお考えでしょうか。政府の見解を伺います。
三 パチンコや競輪等の賭け事を自分の力では止めることの出来ないギャンブル依存症に罹患している可能性がある被保護者については、自助グループ等につなげ、回復のためのプログラムを受けて、そこから脱却するように促す必要が保護の実施機関にはあると考えますが、政府の見解を伺います。

 右質問する。



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