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平成二十八年一月十八日提出質問第五六号
元首相補佐官の辺野古の海の砂地等発言に関する質問主意書
提出者 仲里利信
元首相補佐官の辺野古の海の砂地等発言に関する質問主意書
一月四日付けの沖縄県の地元紙は、名護市辺野古の新基地建設をめぐり、外務省OBで元首相補佐官の岡本行夫氏が二〇一〇年、米国で開かれた在米日本大使館と日米のシンクタンクの共催によるシンポジウムにおいて、「辺野古(の海)は砂地だけ。サンゴ礁も、生物もいない」と発言し、ジュゴンについても「沖縄本島全体を周回し、たまに辺野古に立ち寄る」と報告したことを報道した。
岡本氏は、外務省北米局第一課長(一九八八年〜一九九一年一月)、内閣総理大臣補佐官沖縄担当(一九九六年十一月〜一九九八年三月)、内閣総理大臣補佐官イラク担当(二〇〇三年四月〜二〇〇四年三月)を歴任していることからすれば、今回の発言は、政府官僚として日々担当した沖縄の現地事情に関する政府の統一見解・認識に基づいた知見であることは覆うべくもない。
ところで、辺野古の海については、環境省による「ジュゴンと藻場の広域的調査平成十三年−十七年度結果概要」(二〇〇六年)や、沖縄防衛局の「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書」(二〇一二年)、日本自然保護協会の「辺野古緊急合同調査レポート(速報)」(二〇一〇年)等いずれの調査においても、種別、数などの違いはあっても、サンゴ礁、海藻藻場、マングローブ、干潟、泥地など、多様な生態系で構成された生物多様性豊かな海域であることが確認されている。
そこでお尋ねする。
二 同様に、ジュゴンの回遊についても、右に例示した調査結果では「辺野古の海を餌場として利用している」ことが報告されているが、政府の認識は、調査結果のとおりか、それとも岡本氏の発言のいずれか。
三 政府は、共催者であることや、元職員と雖も現職時の知見に基づいた発言であることなどに鑑み、岡本氏の発言を不適切な発言として、公式にその発言を訂正するとともに、米国の市民や自然保護関係者、政府関係者に説明を行うべきではないか。
四 政府は、辺野古の海の自然環境に関して、今後、科学的な調査結果に基づく情報と報告が適切に国内外に発信されるよう万全の措置を講じるべきではないか。
右質問する。