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平成二十八年一月十八日提出
質問第五八号

厚生年金違法未加入の調査結果に関する再質問主意書

提出者  長妻 昭




厚生年金違法未加入の調査結果に関する再質問主意書


 民主党の強い要請によって、平成二十六年国民年金被保険者実態調査に、厚生年金の加入資格を問う新たな質問項目が盛り込まれた。この調査によって、法的に厚生年金に加入させなければならないのに、加入していない人が推計約二百万人いることが判明した。

一 平成二十八年一月十三日の衆議院予算委員会で、このいわゆる厚生年金違法未加入二百万人問題を質した。
 「緊急対策を宣言して、注意喚起とともに、相当の人、物、金をかけて一気にこの二百万人の方を(厚生年金に)入れて差し上げる、ということをしなければならない」と民主党長妻昭委員が質問した。
 この質問に対して塩崎厚生労働大臣は「国民に注意喚起を行うとともに緊急的に対策を取るべきじゃないかということでございますが、それはそのとおりでございます」と答弁した。
 二百万人という推計人数が出たからには徹底した対策を取る必要があると考える。法治国家の我が国で、約二百万人が違法状態に置かれているということは異常事態であるとの基本認識を持つ必要がある。
 そこでお尋ねする。
 内閣は異常事態であるとの強い危機感をお持ちか。
 また、塩崎厚労大臣の答弁で同意した「国民への注意喚起」とは、具体的にどのような方法で実施するのか、実施方法と注意喚起をスタートする時期、必要な追加予算額をお示し願いたい。またそれは従来の注意喚起の手法とは何処が違うのか、お示し願いたい。
 また、塩崎厚労大臣の答弁にある「緊急的に対策を取る」というのはどのような対策か。すべて具体的内容と必要追加予算、実施スケジュールをお示し願いたい。またそれは従来の政策とどこが異なるのか明確にお示し願いたい。
 また塩崎厚労大臣は「大体七十九万件事業所に対してまず、日本年金機構から、厚生年金適用の可能性があるということを調査票を添えて、すべてに送付しようと考えています」「同時に日本年金機構から出向く」と答弁している。しかし、これは、従来からの取り組みを繰り返し答弁したにすぎないのではないか。従来の取り組みよりも踏み込んだ対策とは何があるのか。お示し願いたい。
 また、国保の保険料滞納に対する差し押さえのうち、本来は社保、健康保険に入るべき人がどの程度いるのか、調査をしてほしいと要請したところ、安倍総理からは「国保の保険料未納により差し押さえを行う者のうち、どの程度が健康保険未加入の者であるかの調査についても、厚生労働大臣に検討させます」と答弁した。
 それは具体的にいつまでに検討をさせるのか。検討に半年以上かからないと考えて良いか。現時点で判明している検討項目や結果があればお示し願いたい。
 また安倍総理は国民年金や国保の保険料滞納に対する差し押さえの前にすべき対応について「市町村で国保の保険料滞納者などに対して就労状況を確認し、その状況を年金事務所に連絡するなど工夫ができないか、厚生労働大臣に検討させたいと思います。また国民年金についても、年金事務所で就労状況の確認を行わせるよう、厚生労働大臣に検討させます」と答弁している。
 それぞれ具体的にいつまでに検討をさせるのか。検討に半年以上かからないと考えて良いか。現時点で判明している検討項目や結果があればお示し願いたい。
 また、安倍総理は時効二年を超えて被害にあっている人の人数についての調査について「厚生労働省において、今後どのような実態把握が可能なのかについて検討させることにしたいと思います」と答弁している。
 具体的にいつまでに検討をさせるのか。検討に半年以上かからないと考えて良いか。現時点で判明している検討項目や結果があればお示し願いたい。
二 内閣は、厚生年金未適用事業所を適用させる努力をしているが、それだけでは不十分である。厚生年金適用事業所であっても、従業員の一部を厚生年金に不当に加入させていない実態がある。その実態を把握するおつもりはあるか。把握するとすれば、いつまでにどのような手段で把握するか。
 適用事業所でも厚生年金に加入できない従業員がいる問題については、今後、どう解決に取り組む予定か、お示し願いたい。
三 法治国家の日本で推計二百万人もの人が、違法状態の下、厚生年金や社保、健康保険に加入できていない。意図的に加入させていない事業者が見つかった場合等、事業所名を公表させるべきと考えるがいかがか。内閣の見解を問う。
 従来通りで厚生年金違法未加入問題の対策を続けると解決まで、約十七年間かかってしまうという試算もある。約二百万人を適正に厚生年金に加入させるまでにどの程度の時間をかけるおつもりか。大体、何年間で解決するのか、年数をお示し願いたい。

 右質問する。



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