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平成二十八年二月十日提出
質問第一二四号

石垣島への陸上自衛隊配備計画と住民への説明に関する質問主意書

提出者  仲里利信




石垣島への陸上自衛隊配備計画と住民への説明に関する質問主意書


 平成二十七年十一月二十六日、若宮健嗣防衛副大臣は中山義隆石垣市長を訪れ、陸上自衛隊の配備への協力を要請した。また、若宮副大臣は、取材に対して配備する部隊の内容は「緊急時の初動対応に当たる警備部隊、ミサイル部隊の地対空誘導弾部隊及び地対艦誘導弾部隊」で、規模は「五百人〜六百人程度」、配備候補地は「市中央部の市有地(平得)とその周辺」、今後のスケジュールは「未定」との説明を行ったとのことである。
 これに対し、沖縄県民や石垣市の多くの地域住民から、先の大戦で、軍は住民を守らなかったこと、逆に住民を軍の盾にしたこと、マラリヤが蔓延する地域へ強制疎開を進めたこと、軍のいるところでは軍が標的となり、かえって住民被害が増大したこと等の理由から、自衛隊の配備計画に懸念を抱き今回の配備計画と新たな基地の提供に断固反対するとの声が上がっている。
 一方、島嶼防衛や中国の脅威論から自衛隊の配備を歓迎する市民も見られ、狭い島で反対派と歓迎派の市民が反目し合う事態が垣間見られており、極めて憂慮すべき状況となっている。
 そこでお尋ねする。

一 政府は、石垣島に陸上自衛隊を配備する目的や理由として「自衛隊配備の空白地帯の解消」や「南西防衛の強化」を挙げている。しかし、先の大戦で沖縄の住民が多数犠牲となり、県土が焦土と化したことから、沖縄県民や石垣市の地域住民から、国はまたしても沖縄及び沖縄県民を本土防衛の盾とするのか、沖縄県民だけがなぜ犠牲を強いられるのかという批判や疑問の声が上がっている。政府はもっと沖縄県民や石垣市の地域住民の思いや声なき声に寄り添うべきではないか。また政府が石垣市の地域住民と胸襟を開いた話し合いを十分行うべきではないか。そのような話し合いの結果として配備計画を断念してもかまわないという強い思いをもって、今回の配備計画を改めて見直すべきではないか。政府の認識と決意を問う。
二 政府が配備理由に挙げている「緊急時」や「脅威」とは一体どのようなものか。また誰がどのようにして、誰に対して行われるものなのか。
三 政府は、陸上自衛隊の配備候補地を「市中央部の市有地(平得)とその周辺」としている。候補地の選定に当たっての事前調査として、政府は、いつ、誰が、どのようにして、何を行ったのか、明らかにしてもらいたい。
四 配備候補地の「市中央部の市有地(平得)とその周辺」に近接する開南、嵩田及び於茂登の三地区は、それぞれの総会で配備反対を決定し、共同で抗議文を一月十六日に中谷元防衛大臣に提出した。政府は地元住民の強い思いと決意をどのように酌み取る考えか。政府は配備計画を直ちに断念すべきではないか。
五 地元新聞は、昨年十月二十六日、陸上自衛隊の配備を歓迎する住民(八重山防衛協会、自衛隊父兄会八重山支部及び隊友会八重山支部)が石垣島自衛隊配備推進協議会を発足させ、昨年末に「石垣島への自衛隊配備の魅力」と題した小冊子を作成・配布するとともに、賛成の活動を活発化させていると報道した。翻って見れば、このような小冊子の作成・配布や活動の経費を民間団体が捻出し、その全てを自前で賄うことはおよそ考えられないことである。また小冊子の内容や活動の際の説明内容を見ると、民間の四団体が対応可能な内容であるか疑問が生じるところである。よって、あえて説明を求めるものであるが、政府は、民間団体が作成したと称する小冊子の作成や配布に対して、人的・物的・経済的な支援、若しくは何らかの便宜供与を行ったかどうか、明らかにしてもらいたい。
六 質問五に関連して、政府は、民間の四団体が行う活動や団体の運営等に対して、人的・物的・経済的な支援、若しくは何らかの便宜供与を行ったかどうか、明らかにしてもらいたい。
七 今回の陸上自衛隊配備計画に関して、政府が関わった、または呼びかけた住民向けの説明会や懇談会等について、その開催日時、主催者名、場所、説明内容等を公表してもらいたい。
八 質問七に関連して、今後予定している住民向けの説明会や懇談会などについて、開催日時、主催者名、場所、説明内容等を公表してもらいたい。
九 地域住民の猛反対にも関わらず与那国島への自衛隊配備が強行された。その際の進め方として、政府は地域住民への説明を行う前に、歓迎派の行政・議会関係者への根回しや用地買収、造成が先行していたとの情報がある。もしこれが真実ならば誠に遺憾であるし、石垣島での配備計画において、同様な進め方が行われないよう切に要望したい。政府の考えをお聞きしたい。

 右質問する。



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