質問本文情報
平成二十八年三月十八日提出質問第二〇二号
ハローワークの求人票の労働条件が実際と違うことにより離職の増大に繋がることに関する第三回質問主意書
ハローワークの求人票の労働条件が実際と違うことにより離職の増大に繋がることに関する第三回質問主意書
ハローワークの求人票の労働条件が実際と違うことにより離職の増大に繋がることに関しては、二月八日付け質問主意書第一一八号で質問を、また三月七日付け質問主意書第一七三号で再質問をそれぞれ行い、二月十六日及び三月十五日付けで答弁を得たところである。
その際行った質問及び再質問で「厚生労働省の公表した件数は氷山の一角に過ぎず、実態を表していない」と質問したところ、「全件数を把握しているので御指摘は当たらない」と一蹴する答弁を行っている。また、「求人票の労働条件が実際の労働条件と異なる」との質問に対しては、二回の答弁のいずれにおいても「求職者からの相談があった場合は、従来から、求人者への迅速な事実確認を実施している」し、また「安定所において職業紹介の保留や是正指導を行うとともに、求人ホットラインを設置する等、対応の強化を図っている」ため、「御指摘は当たらない」と、いかにも対応が適切であるかのような答弁に終始している。
しかし、本職が調査した事案の中で、特に福島を中心とした原発での労働条件についての事例が、今回の政府答弁を覆す最も端的な事例であると思われることから、あえて取り上げることとする。
具体的に挙げると、@福島第一原発構内での作業員の求人に応募したものの、実際の作業は除染作業だった事例や、A会社が仕事を受注する見込みがないのにも関わらず除染作業の求人を出していた事例、B十五歳の少年が中学校卒業後、足場を組み立てる作業員の仕事を紹介され、就職したところ、除染作業に従事させられた事例、C求人票を見て応募したところ、労働基準法に基づく労働条件の提示さえなく、求人の日当と実際の日当が異なった事例、D「がれき片付け及び運搬作業」の求人を出しておき、応募者に対しては、この求人がなくなったとして全く異なる除染作業を紹介した事例の五つである。
この五つの事例は、ハローワークでの紹介または求人票を見ての応募であるが、いずれの事例においても「求人票の労働条件や仕事の内容が実際と異なる」ものであり、さらに泣き寝入りを強いられた事例である。
そこでお尋ねする。
二 質問一に関連して、上記の五件の事例は、そのいずれも「求人票の労働条件や仕事の内容が実際と異なる」場合であるが、結局、求職者や労働者が泣き寝入りを強いられた事例である。この五件の事例は、厚生労働省が相談件数として公表した平成二十四年度から二十六年度までの三か年間の件数であり、全件数を把握していると述べた件数に含まれているのか。
三 質問一で指摘した五件は、逮捕歴があるため他に就職することが困難であったことや、雇用主に刃向かえない力関係が存在していたことなどの理由から、やむなくそのまま働いた事例であり、結局、どこにも相談できず、泣き寝入りを強いられた事例である。そのため本来ならばそのままうやむやにされかねない事例である。しかし、今回新聞社の調査でようやく発覚したものであるが、政府はこのような事例でも的確に把握して、その改善に努めてきたと主張するのか。
四 本職は、政府が「求人票の労働条件や仕事の内容が実際と異なる」場合の全てを把握することは困難であると承知している。しかし、政府に改善を求めたいことは、実態を把握しないのにも関わらずいかにも把握しているかのごとく強弁する姿勢を改めることである。また窓口での対応が適切でなかったり、たらい回しにしてきたことを率直に認めた上で、改善に取り組む姿勢を見せることである。政府の認識と見解を伺う。
右質問する。