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平成二十八年四月二十二日提出
質問第二五六号

タクシー事業の適正化における公正取引委員会等の対応に関する質問主意書

提出者  鷲尾英一郎




タクシー事業の適正化における公正取引委員会等の対応に関する質問主意書


 タクシー事業については、平成十二年に道路運送法が改正され、事業参入については免許制が許可制に、増減車に係る事業計画の変更については認可制が事前届出制となり、需給調整規制が廃止される規制緩和が行われた。この結果、運賃の多様化や待ち時間の短縮等の一定の効果が表れる一方で、運転者の労働条件の悪化、違法・不適切な事業運営の横行等によりタクシーの安全性や利便性の低下が危惧されるようになった。このため、国土交通省は、平成十八年、監査の原則無通告化、労働基準監督機関との合同監査・監督等により、事後チェックの強化等を図るとともに、平成十九年には、タクシー業務適正化特別措置法を改正し、輸送の安全と運転者の質の確保・向上を図るための運転者登録制度の対象地域の拡大を行った。
 また、平成十九年十二月、国土交通大臣から交通政策審議会に対し、タクシー事業をめぐる諸問題についての諮問がなされた。これを受け同審議会は、「タクシー事業を巡る諸問題に関する検討ワーキンググループ」(以下「タクシーWG」という。)を設置し、翌二十年十二月、タクシーWGにおいて、答申「タクシー事業を巡る諸問題への対策について」が取りまとめられ、交通政策審議会から国土交通大臣に答申がなされた。同答申では、今後講ずべき対策として、供給過剰進行地域における対策を講ずるための特定地域指定制度の創設、特定地域における供給抑制策としての許可等の基準・要件及び審査の厳格化による新規参入や増車の抑制、競争政策との調和を図りながら複数の事業者が自主的・協調的に共同減車を行う仕組みの構築等が提案されている。
 この答申を受け、平成二十一年、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(以下「タクシー特措法」という。)が成立した。衆議院においては十六項目からなる附帯決議が付され、その十二項目目で「公正取引委員会は、国土交通省が行う下限割れ運賃審査をはじめ、タクシー運賃の不当競争防止策について助言を行うなど、必要な連携協力を図ること」(以下「公正取引委員会に関する附帯決議」という。)とされた。この項目を含め附帯決議について、当時の金子一義国土交通大臣は、附帯決議において提起された事項の趣旨を十分に尊重する旨の発言を行っている。
 同法の制定を受け、各地域でタクシー適正化・活性化のための取組が進められる中、平成二十三年十二月二十一日、公正取引委員会は、新潟市等に所在するタクシー事業者二十五社に対し、独占禁止法の不当な取引制限の禁止の規定に違反する行為を行った(新潟市等に所在するタクシー事業者による価格カルテル事件)として、同法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。両命令に対し、平成二十四年二月十七日、当該命令を受けた一部のタクシー事業者から審判請求が行われ、同年四月十三日に審判手続が開始、平成二十七年二月二十七日には、審判請求を棄却する旨の審決が行われた。同事件については、現在、東京高等裁判所で係属中となっているところである。
 平成二十五年十一月六日、衆議院国土交通委員会において、公正取引委員会に関する附帯決議への取組状況、当該附帯決議を踏まえた新潟の事件への公正取引委員会及び国土交通省の対応状況等について質問を行い、新潟のような事件になることを避けるために、公正取引委員会と国土交通省の連携協力を図ることが附帯決議に盛り込まれたのではないかという旨の指摘を行った。これらを踏まえ、次のとおり質問する。

一 公正取引委員会に関する附帯決議について
 1 公正取引委員会と国土交通省との間で連携協力を図ってきたのか。
 2 その上で、公正取引委員会及び国土交通省は、タクシー運賃の不当競争防止のためにどのような対応を取ったのか具体的事実を示されたい。
二 東京高等裁判所で係属中の新潟の事件については、事業者がタクシー特措法の規定に基づく協議会の地域計画に基づく自主的な取組としてタクシー事業の適正化のために行った行為が、結果として独占禁止法に抵触するに至ってしまったものである。公正取引委員会に関する附帯決議を踏まえ、公正取引委員会が調査に入るまでの間に、同法に抵触する可能性について、公正取引委員会と国土交通省が連携を取りつつ指導等していれば事件になることはなかったと考えるが、それぞれどのような対応を取ったのか。

 右質問する。



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