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平成二十八年五月十三日提出
質問第二七三号

安倍総理の日本国憲法は「連合国軍総司令部の憲法も国際法も全くの素人の人たちが、たった八日間でつくり上げた代物だ」との発言に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




安倍総理の日本国憲法は「連合国軍総司令部の憲法も国際法も全くの素人の人たちが、たった八日間でつくり上げた代物だ」との発言に関する質問主意書


 安倍総理は、二〇一三年四月二十七日の産経新聞のインタビューで、「連合国軍総司令部(「GHQ」という。)の憲法も国際法も全くの素人の人たちが、たった八日間でつくり上げた代物だ」と述べている。
 他方、二〇一五年三月六日の衆議院予算委員会で安倍総理は、逢坂誠二の質問に答えて、「その原案が連合国軍総司令部によって短期間に作成されたものであるとの事実を述べたものにすぎない」「総理大臣として事実を述べてはならないということではないんだろう」と答弁している。
 これについて疑義があるので、以下質問する。

一 「たった八日間」とは、いつからいつまでなのか。政府の見解を示されたい。
二 GHQの憲法原案作成メンバーの中には、コートニー・ホイットニー民政局長のように弁護士資格と法学博士号を持つ者、チャールズ・ケーディス民政局次長のようにハーバード大学法科大学院を卒業後に弁護士となり、アメリカの連邦政府機関で勤務した経歴の持ち主も存在していると承知しているが、どのような根拠で「憲法も国際法も全くの素人の人たち」と判断したのか。政府の見解を示されたい。
三 この「全くの素人の人たち」という発言が、憲法に関する素人という意味であるなら、なぜそのような判断をしたのか。その根拠を具体的に示されたい。
四 「代物」という言葉は、『大辞林第三版』(三省堂)によれば、「物または人。低く評価したり、卑しみや皮肉を込めていうことが多い」とあり、代物という言葉には価値観が含まれていると考えるのが一般的である。日本国憲法は、「GHQの憲法も国際法も全くの素人の人たちが、たった八日間でつくり上げた代物だ」という安倍総理の発言は、「その原案が連合国軍総司令部によって短期間に作成されたものであるとの事実を述べたものにすぎない」ことにとどまらず、「総理大臣として事実を述べ」ただけではなく、安倍総理の日本国憲法に対する認識も含まれている。安倍総理の発言には、事実のみならず、日本国憲法に対する認識が含まれているのではないか。政府の見解を示されたい。
五 日本国憲法は「GHQの憲法も国際法も全くの素人の人たちが、たった八日間でつくり上げた代物だ」という発言が、「その原案が連合国軍総司令部によって短期間に作成されたものであるとの事実を述べたものにすぎない」のであれば、「代物」ではなく、単に「もの」という表現で良いと思われるが、どのような理由で、安倍総理はあえて「代物」と述べたのか。理由を明確にされたい。

 右質問する。



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