質問本文情報
平成二十八年五月二十六日提出質問第二九九号
シベリア等強制抑留者の実態調査及び遺骨収集に関する再質問主意書
提出者 長妻 昭
シベリア等強制抑留者の実態調査及び遺骨収集に関する再質問主意書
平成二十八年四月二十一日提出の「シベリア等強制抑留者の実態調査及び遺骨収集に関する質問主意書」に対する四月二十八日の答弁書の答弁について、不十分な点が多いので、以下再質問する。
2 戦後強制抑留者のうち抑留中に死亡した者の身元特定作業を進めるために実施してきた取り組みについて、過去五年間の各年の取り組みを具体的にお示し願いたい。また、それらの取り組みの成果について、具体的な成果をお示し願いたい。政府として、身元特定作業が進んでいると評価しているか、政府の見解をお示し願いたい。また、今後の身元特定作業にあたり、どのような課題があるとお考えか、政府のご見解をお示し願いたい。
3 戦後強制抑留者の遺骨収集について、今後、旧ソ連等での遺骨収集はどのように進めるのか、具体的にお示し願いたい。政府の計画で遺骨収集をした場合、いつまでにどのくらいの遺骨が収集できるのか、具体的にお示し願いたい。その上で、遺骨収集に関する政府のご見解をお示し願いたい。
4 戦後強制抑留者の持ち主不明の遺品は現在、どこに何点保管されているか、お示し願いたい。
二千十二年八月に元日本兵の郵便貯金通帳の複製品が遺族に届けられた事例があったが、本来現物が返還されるべきであると考える。日本政府としてロシア政府に現物の返還を要求しなかったのか。要求しなかった場合はその理由をお示し願いたい。また、現物の返還を要求している場合は、なぜ現物の返還が実現しなかったのか、政府の見解をお示し願いたい。
これらの遺品は、大切な記憶遺産であり、引取先が見つからない場合は、公表し、処分することなく、活用されるべきであると考えるが、政府の見解をお示し願いたい。
5 抑留体験者の平均年齢は九十歳を超えている。抑留体験者の年齢を考慮すると、抑留体験を児童・生徒等に伝えるため、抑留体験者を学校などに招いてお話をお聞きすることが年々難しくなってきている。抑留体験の貴重な証言を歴史等の授業に使用する副教材や参考資料として教育現場で活用できるよう、電子記録媒体などに残すといった取り組みをする必要について、政府のご見解をお示し願いたい。
6 第二次安倍政権発足以降、これまでに開催された日ロ首脳会談において、安倍晋三総理から抑留問題についての言及はあったか。また、プーチン大統領から抑留問題についての発言はどのようなものがあったか。言及が全くない場合は、日本政府が首脳会談の議題として取り上げなかったということか。取り上げなかった場合は、何故取り上げなかったのか、政府の見解をお示し願いたい。抑留問題に関しては、実態解明も身元特定も遺骨収集も多くが残されたままであるなど、いまだに課題が山積している。ロシア政府等に対して、今後どのような働きかけをすることをお考えか、政府の見解をお示し願いたい。
右質問する。