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平成二十八年九月二十八日提出質問第二二号
第百九十二回臨時国会の衆議院本会議での安倍総理の所信表明演説における自民党議員の起立、拍手に関する質問主意書
第百九十二回臨時国会の衆議院本会議での安倍総理の所信表明演説における自民党議員の起立、拍手に関する質問主意書
厳しい環境の中で、国民の生命、安全、財産や国土を守るために日夜活躍されている自衛隊、海上保安庁、警察、消防などの皆様に敬意の気持ちを持つのは当然のことであると理解している。
他方、平成二十八年九月二十六日の衆議院本会議で安倍総理が行った所信表明演説で、自衛隊、海上保安庁、警察をたたえた際、安倍総理に促された自民党の議員たちが一斉に立ち上がって手をたたき続け、約十秒間、演説が中断する場面があった。この件に関し、大島理森衆議院議長は「ご着席下さい」と議員らを注意し、さらに報道によれば、野党の幹部からも次のような批判の声が相次いでいる。
「品がない。国会のルールを無視した最悪のパフォーマンス」(民進党幹部)。
「異常で、異様な光景だ」(日本維新の会の馬場伸幸幹事長)。
「二十数年国会にいるが、ああいう光景は初めて見た。気持ち悪い」(日本共産党幹部)。
「異様な光景だ。今までも日本の議会では見られないと思うし、北朝鮮か中国共産党大会みたいなアレで、ちょっとますます不安に感じた」(生活の党の小沢一郎代表)。
また、自民党の高村正彦副総裁も、同日夕の党役員会で「所信の演説の最中のスタンディングオベーションは、自分の経験上も初めてのことだった」と発言した。
このように安倍総理に促された自民党の議員たちが一斉に立ち上がり、総理の所信表明演説内容に手をたたき続けた行為は与野党の幹部がともに奇異に感じており、安倍総理への個人崇拝ともとられかねないもので、国際社会に与える影響も小さくない。衆議院本会議で行われた安倍総理の拍手を促す行為は、日本の民主主義政治の原点に立ち返ると疑義を持たざるを得ないので、以下質問する。
二 各党の幹部のみならずジャーナリズムなどから数多くの批判が寄せられているが、これらに対する見解を示されたい。
三 今回の件に関して、安倍総理は猛省すべきと思うが、見解を示されたい。
四 本会議場で冷静な議論を行うため、こうした扇動的な行為は行うべきではないと思うが総理はどのように考えているのか、見解を示されたい。
五 国会法第百十六条では、「会議中議員がこの法律又は議事規則に違いその他議場の秩序をみだし又は議院の品位を傷けるときは、議長は、これを警戒し、又は制止し、又は発言を取り消させる」と規定されており、大島理森衆議院議長が「ご着席下さい」とかかる行為を制止したことは、国会法第百十六条でいうところの、「議場の秩序をみだし又は議院の品位を傷ける」ことと判断したものであり、安倍総理が自民党議員に拍手を促した行為は、国会法第百十六条でいう「議場の秩序をみだし又は議院の品位を傷ける」を扇動したことになるのではないか、見解を示されたい。
右質問する。