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平成二十八年十月三日提出
質問第三三号

安倍総理の「憲法を自分自身のものとして国民の手に取り戻せる」という発言に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




安倍総理の「憲法を自分自身のものとして国民の手に取り戻せる」という発言に関する質問主意書


 平成二十五年四月二十七日、産経新聞は、「安倍晋三首相(自民党総裁)は二十六日までに、憲法をテーマに産経新聞の単独インタビューに応じ、「いまだかつて国民は自分たちの手で憲法をつくる経験をしていない。改正することで、初めて憲法を自分自身のものとして国民の手に取り戻せる」と述べ」、「現行憲法については「自分たちでつくったというのは幻想だ」と指摘した」と報じている。
 この安倍総理の発言に関して疑義があるので、以下質問する。

一 この発言は事実か。見解を示されたい。
二 「憲法を自分自身のものとして国民の手に取り戻せる」とは、そもそも具体的に何を意味しているのか。見解を示されたい。
三 安倍総理は、現行の日本国憲法は、国民にとってどういう状態にあると認識しているのか。見解を示されたい。
四 「憲法を自分自身のものとして国民の手に取り戻」すことによって、現行の日本国憲法が、国民にとってどういう状態になると考えているのか。見解を示されたい。
五 自由民主党は、昭和三十年十一月十五日の立党とともに決定された「党の政綱」において、「現行憲法の自主的改正をはかり」と明示し、平成十七年十一月二十二日の「新綱領」においても、「私たちは近い将来、自立した国民意識のもとで新しい憲法が制定されるよう」努めるとし、党是として、自主憲法の制定を掲げていると承知しているが、政府は、一般論として、自主憲法の制定とはどういうことと認識しているのか。見解を示されたい。
六 安倍総理は、現行憲法については「自分たちでつくったというのは幻想だ」と発言したと報じられているが、例えば、昭和二十一年八月二十四日、衆議院本会議で、吉田茂首相は、「只今本院に於て憲法改正案が可決されました、ここに政府を代表致しまして一言御挨拶を申述べたい」として、「去る六月二十五日憲法改正案が本院に上程せられまして以來、本會議、委員會等を通じ、議員諸君の終始愼重にして熱誠なる御努力は、洵に衷心から敬意を表する次第」であり、「本案は新日本建設の礎石を築き、世界の平和の先頭に立たんとするものでありまして、本日本草案に贊意を表せられた議員諸君の御演説は、國民の總意を代表するものとして内外に反響を致しまして、新憲法草案の意義特色を内外に更に一層鮮明に諒解せしむるものと確信」していると表明している。この演説は「帝國憲法改正案」が衆議院本会議で、「可とする者 白票 四百二十一 否とする者 青票 八」という圧倒的多数で可決した直後に行われている。昭和二十一年四月十日、女性の選挙権を認めた新選挙法のもとで衆議院総選挙が実施され、同年五月十六日に召集された第九十回帝国議会において、当時の帝國憲法と法令に基づいて審議可決され成立した日本国憲法が「自分たちでつくったというのは幻想だ」というのは、日本国憲法そのものを貶めるとともに、多くの先人の国会での議論を否定し、ひいては議会制民主主義を否定するものではないか。見解を示されたい。

 右質問する。



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