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平成二十八年十一月十一日提出質問第一三五号
ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の問題意識に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の問題意識に関する質問主意書
過日の米国大統領選挙の結果、次期米国大統領にドナルド・トランプ氏が就任することになった。安倍総理は九月の訪米時、ドナルド・トランプ氏の対抗馬である民主党のヒラリー・クリントン氏と面談したが、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏との面談は行っていない。
米国大統領選挙の投票日に一週間もない十一月四日、共同通信は、「安倍晋三首相が来年二月後半にも訪米し、日米首脳会談を行う案が日本政府内で検討されていることが三日、分かった。日本側は早期に首脳会談を開催したい意向をクリントン陣営関係者らに内々に伝えている」と報じている。
これら事実から、政府は、ヒラリー・クリントン氏が次期米国大統領であると強く推測していたと思われるが、日本外交の基本方針としては疑義があるので、以下質問する。
二 九月の安倍総理の訪米時、ドナルド・トランプ氏と面談することを意図し、政府はトランプ陣営への働きかけを行った事実はあるか。政府の見解を示されたい。
三 政府は、ヒラリー・クリントン氏の当選が濃厚だとの見通しを持っていたのか。見解を示されたい。
四 政府は、ヒラリー・クリントン氏の当選が濃厚だとの見通しを持っていなかったのだとすれば、なぜ首相の九月の訪米時に、ヒラリー・クリントン氏とだけ面談したのか。政府の見解を示されたい。
五 次期米国大統領にはドナルド・トランプ氏が就任するが、この間のヒラリー・クリントン氏だけを重視した日本外交は誤った見通しに基づいていたのではないか。政府の見解を示されたい。
六 米国大統領選挙の結果が出るまでは、ヒラリー・クリントン氏だけを重視する結果となったことは、情報収集と分析能力に課題があると思われる。米国における在外公館の情報収集活動や分析、さらには日本外交の前提となる政府内での情報収集や分析能力には課題があるのではないか。政府の見解を示されたい。
七 米ソ冷戦期および冷戦終結後という時代のレーガン政権からG・H・W・ブッシュ政権の終わった一九九三年以後、米国では二大政党による政権交代が繰り返され、民主党あるいは共和党の政権が連続して三期以上続いたことはないと承知している。その事実を踏まえれば、民主党のオバマ政権の次には共和党政権が誕生する可能性は低くないということは容易に推測できる。日米外交に携わる専門家であれば、当然踏まえておくべき認識であろう。それにもかかわらず、オバマ政権の次にヒラリー・クリントン政権が誕生すると推測し、ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の基本姿勢には、基本的な問題意識の欠如があるのではないか。政府の見解を示されたい。
右質問する。