質問本文情報
平成二十八年十二月六日提出質問第一九一号
ロシアのプーチン大統領の来日で期待することに関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
ロシアのプーチン大統領の来日で期待することに関する質問主意書
平成二十八年十二月中旬、ロシアのプーチン大統領が来日し、安倍総理との会談が予定されているが、これに関連して疑義があるので、以下質問する。
二 今次のプーチン大統領の来日時に、安倍総理はプーチン大統領とどのような点について、どのようなことを期待して会談する予定なのか。見解を示されたい。
三 平成二十八年五月に、安倍総理とプーチン大統領がソチで会談した時、最大の懸案となっている北方領土問題を含むロシアとの平和条約交渉について「新しい発想に基づくアプローチ」が必要だという点で意見が一致したとの認識を示している。この一致を踏まえた来日となれば、北方領土問題に大きな進展があると思われるが、現時点で政府は北方領土問題に関しどのような認識を持っているのか。政府の見解を示されたい。
四 新しい発想に基づくアプローチとは、具体的にどんなことを意味しているのか。政府の見解を示されたい。
五 今次のプーチン大統領の来日で、北方領土の返還などをはじめとして、北方領土問題に何らかの進展があると多くの国民は期待しているが、進展の可能性に関する政府の見解を明らかにされたい。
六 平成二十八年十二月三日、ロシアのラブロフ外相と岸田外務大臣の会談がモスクワで行われた。この会見後、ラブロフ外相は記者団に答え、一九五六年の日ソ共同宣言の有効性について、「六十年前とは状況が違う」と述べ、共同宣言に盛り込まれた歯舞、色丹の二島の引き渡しの明言を避け「第一歩は平和条約の締結だ」との認識を示したと報じられている。このラブロフ外相の「六十年前とは状況が違う」との発言は、日ソ共同宣言に明示される、「日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する」、「日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする」との認識が変化し、歯舞、色丹の二島の返還を前提としない平和条約の締結を意味するとの認識で良いか。政府の見解を示されたい。
七 右の問に関して、ラブロフ外相の「六十年前とは状況が違う」との認識はロシア政府内で共有されていると考えてよいか。政府の見解を示されたい。
右質問する。