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平成二十八年十二月七日提出
質問第一九二号

ロシア太平洋艦隊の国後島および択捉島へのミサイル配備に関する再質問主意書

提出者  逢坂誠二




ロシア太平洋艦隊の国後島および択捉島へのミサイル配備に関する再質問主意書


 先般提出した「ロシア太平洋艦隊の国後島および択捉島へのミサイル配備に関する質問主意書」(質問第一六九号)に対する答弁書(内閣衆質一九二第一六九号。以下「答弁書」という。)の内容に疑義があるので、以下質問する。

一 答弁書では、「公刊資料によれば、御指摘の地対艦ミサイル「バスチオン」の射程は約三百キロメートル、「バル」の射程は約百三十キロメートルである」と示されたが、いつの時点のどの「公刊資料」で確認されたのか。政府の見解を示されたい。
二 イギリスの出版社の発行する二〇一一年のジェーン年鑑によれば、“The range is reported to be 300 km when released from high level, and 200 km when released from low level.”(射程は、高空を飛行する場合は三百キロメートルで、低空を飛行する場合は二百キロメートルと報告されている)と明記された上で、“Later versions are planned to have INS/GPS or Glonass guidance to attack land targets, and a longer range”(後続のバージョンでは、INS/GPSあるいはGlonassに誘導されて地上目標を攻撃するとともに、より長距離の射程を持つものが計画されている)と示されている。このジェーンの記述は、二〇一一年時点以後により長射程で、ロシアの衛星測位システムで精密誘導される高性能化された地対艦ミサイルが開発されることを示唆しているが、それでも答弁書でいうように「地対艦ミサイル「バスチオン」の射程は約三百キロメートル」であると評価するのか。兵器の技術開発は日進月歩であり、今回、わが国の北方領土に配備された地対艦ミサイルシステムは三百キロメートル以上の射程を持つ可能性があり、政府の評価は射程を低く見積もり過ぎではないか。政府の見解を示されたい。
三 今次配備されたミサイルシステムは、北海道全域を射程に入れている可能性はないのか。バスチオンから発射されるミサイルが三百キロメートル以上の射程を持つというのは約五年前の資料に基づくものであり、バスチオンに搭載できる最新の地対艦ミサイルであるオーニクス(P−800)は約四百五十キロメートルの射程を持つとの指摘もなされている。政府の見解を示されたい。
四 平成二十八年十一月二十五日、衆議院安全保障委員会(「当該委員会」という。)で稲田防衛大臣は、「択捉、国後島への沿岸ミサイル部隊の配備の意図、目的について」は、「一般論として、極東地域から北海地域に至るロシア太平洋艦隊の部隊の展開ルートの援護、そしてオホーツク海における戦略原潜の活動領域の確保」であると答弁しているが、オホーツク海における戦略原潜の活動領域の確保であれば、射程が三百キロメートルでは十分ではなく、それ以上の、例えば戦略的に重要な宗谷岬周辺の海域までを確保するのであれば、五百キロメートル近くのものが必要であろう。かかる稲田防衛大臣の答弁には矛盾があるのではないか。政府の見解を示されたい。
五 当該委員会での後藤祐一議員の、「北海道方面に対して、択捉に配備されたバスチオンは四百五十とか五百キロを射程におさめるといいます。また、国後に配備されるバルというものは三百キロとも言われます。コンパスで引いてみましたか、どこまで届くか」との質問に対し、稲田防衛大臣は、「我々の理解といたしましては、バルは百三十キロ、バスチオンは三百キロでございます。コンパスで引きますと、網走あたり、北東あたりは入るかと思います」と答弁している。ロシアが今回配備したミサイルシステムの射程は、最新の情報を把握することは難しいとは承知しているものの、その射程が北海道全域にわたることもあり得ると考える。特にロシアの衛星測位システムで精密誘導されるような最新鋭のミサイルは、相当長い射程を持つと考えるべきであり、「我々の理解といたしましては」「バスチオンは三百キロでございます。コンパスで引きますと、網走あたり」では北海道民の不安はぬぐいきれない。政府はこのような北海道民の不安にどのように取り組むとともに、衛星測位システムで精密誘導されるような最新鋭のミサイルの射程をどの程度と評価しているのか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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