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平成三十年三月二十九日提出
質問第一八六号

北海道「留萌沖三船殉難事件」に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




北海道「留萌沖三船殉難事件」に関する質問主意書


 昭和二十年八月二十二日の早朝、南樺太(現サハリン南部)から逃れる邦人を乗せた三隻の船が北海道留萌沖で当事国籍不明とされた潜水艦に攻撃され、小笠原丸、泰東丸が沈没し、第二新興丸も大破した。この潜水艦による攻撃で、千七百名以上の邦人が亡くなった。
 この潜水艦は長い間国籍不明とされていたが、一九九二年、拓殖大学の秦郁彦教授の調査で、ソ連国防省戦史研究所からの回答で、ソ連太平洋艦隊の潜水艦による攻撃であったことが確認された。攻撃を行った潜水艦は、ウラジオストクのソ連太平洋艦隊所属のL一二ならびにL一九であると承知している。
 北海道留萌市立図書館の所有する、一九四五年八月十九日のソビエト海軍艦隊人民委員部発の「ソ連太平洋艦隊第一潜水艦隊司令官宛命令書 NO OP/〇〇四五五」(「本命令書」という。)では、「敵の海軍は積極的な戦闘を行っていない。だが、サハリン・シムシュ・パラムシル諸島においては、貴重品を本国に搬出しようと抵抗を続けている」「第一極東方面軍は、北海道北部占領の任務を負う」と示された上で、「艦隊には次の任務が課せられる。八月二十四日未明、占領軍の留萌上陸予定」、「L級潜水艦を二隻派遣せよ」、「航行中の敵船舶はすべて撃滅する。具体的潜水艦統率は、貴下が行う」と命じられている。
 太平洋戦争後、七十年以上経過したが、「留萌沖三船殉難事件」(「本事件」という。)の真相は未だ十分に解明されておらず、樺太引揚三船遭難遺族会がロシア政府に事実を認め謝罪するように求め続けているものの、誠意ある回答は得られていない。関係者の高齢化は進んでおり、このままでは本事件が未解決のまま忘れ去られてしまう可能性も否定できない。
 平成三十年三月二十四日、世耕弘成経済産業大臣はロシアのゴロデツ副首相らと大阪市内で会談した。会談後、ゴロデツ副首相は記者からの取材に応じ、安倍総理が五月二十六日にロシアを訪れる見通しだと発言した。また安倍総理のロシア訪問では、プーチン大統領との首脳会談が行われることも明らかにされた。
 これらを踏まえ、以下質問する。

一 本事件について、これまでソ連政府およびロシア政府に事実の照会を行ったことはあるのか。あるとすれば、どのレベルの担当者間で、あるいは、どの程度の回数であるのか。政府の見解如何。
二 一九九二年の拓殖大学の秦郁彦教授の調査では、本事件はソ連太平洋艦隊の潜水艦による攻撃であったことが確認された。小笠原丸、泰東丸、第二新興丸への攻撃を行った潜水艦は、ウラジオストクのソ連太平洋艦隊所属のL一二ならびにL一九であるとの理解でよいか。
三 本命令書では、「敵の海軍は積極的な戦闘を行っていない。だが、サハリン・シムシュ・パラムシル諸島においては、貴重品を本国に搬出しようと抵抗を続けている」「第一極東方面軍は、北海道北部占領の任務を負う」との記述があるが、政府はこれを承知しているか。政府の見解如何。
四 本事件は、ソ連太平洋艦隊所属の潜水艦による攻撃であるとの理解でよいか。政府の見解如何。
五 本命令書でいう「L級潜水艦を二隻派遣せよ」、「航行中の敵船舶はすべて撃滅する。具体的潜水艦統率は、貴下が行う」との命令が本事件の根拠になっているとの理解でよいか。政府の見解如何。
六 本事件の関係者は高齢化しており、残された時間は少ない。安倍総理が五月にプーチン大統領と会談するのであれば、ロシア政府に本事件についての事実の照会を行い、あるいは謝罪を求め、その回答を得るべきではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



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