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平成三十年五月一日提出
質問第二六四号

イラクにおける自衛隊の日報における「戦闘」の法的意味に関する再質問主意書

提出者  逢坂誠二




イラクにおける自衛隊の日報における「戦闘」の法的意味に関する再質問主意書


 「イラクにおける自衛隊の日報における「戦闘」の法的意味に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質一九六第二三一号)では、「この「一般的、いわば国語辞典的な意味での戦闘」は、自衛隊法等において「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為」をいうものと定義されている「戦闘行為」とは異なるものである。なお、この「国際的な武力紛争」とは、国家又は国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争い」であり、イラクに派遣された「自衛隊の部隊が作成していたいわゆる「日報」の一部で用いられている「戦闘」は、いずれも」、自衛隊法等で定義されている「「戦闘行為」の意味で用いられたものではない」と示された。
 この答弁書に疑義があるので、以下質問する。

一 「この「一般的、いわば国語辞典的な意味での戦闘」は、自衛隊法等において「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為」をいうものと定義されている「戦闘行為」とは異なるもの」であるとすれば、「一般的、いわば国語辞典的な意味での戦闘」とは具体的にどのようなものなのか。政府の見解如何。
二 「人を殺傷し又は物を破壊する行為」であれば、「いわば国語辞典的な意味での戦闘」であり、かかる行為が「国際的な武力紛争の一環として行われる」場合のみ、自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」であるという理解でよいか。政府の見解如何。
三 二に関連して、「人を殺傷し又は物を破壊する行為」の結果、派遣されている自衛隊員が殺傷され、自衛隊の装備や住居等を「破壊する行為」が生じたとしても、それが「国家又は国家に準ずる組織」によらなければ、被害の多寡に関わらず、自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」ではないという理解でよいか。政府の見解如何。
四 イラクにおける自衛隊の当該日報において、その一部で用いられている「戦闘」が自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」であるか否かの判断は誰が行うのか。例えば、防衛大臣にその有権解釈の権限があるのか。それとも内閣総理大臣に権限があるのか。政府の見解如何。
五 四に関連して、イラクに派遣されている現地部隊の司令官に、当該日報のその一部で用いられている「戦闘」が自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」であるか否かの判断を行う権限はあるのか。政府の見解如何。
六 イラクに派遣されている現地部隊の司令官に、当該日報のその一部で用いられている「戦闘」が自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」であるか否かの判断を行う権限がないとすれば、現地情勢の報告である当該日報には、自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」も含まれることになる。すなわち、かかる判断は現地でできないのであり、現地の実態がそのまま東京に報告され、そこで有権解釈を行い、派遣部隊の撤退を含めた判断を行うことになるため、必ず時間差が生じることになる。このため、当該日報における「戦闘」には、自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」が含まれることは否定できないのではないか。政府の見解如何。
七 当該日報において、自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」があるとすれば、どのように記載されるのか。主体となる武装勢力の名称などが記載され、それが、「国家又は国家に準ずる組織」と推定されれば要件を満たすのか。政府の見解如何。
八 七に関連して、当該日報において、「戦闘」という記述がある場合、その主体となる武装勢力の名称などが記載されず、その主体が「国家又は国家に準ずる組織」と推定されなければ、かかる「戦闘」は、自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」に当てはまらないのではないか。すなわち、派遣されている自衛隊の被害の多寡に関わらず、「人を殺傷し又は物を破壊する行為」が生じたとしても、その主体が明示されない限り、自衛隊法等で定義されている「戦闘行為」に当てはまらないのではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



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