質問本文情報
平成三十年五月十一日提出質問第二八四号
拉致問題の解決のための交渉ルートに関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
拉致問題の解決のための交渉ルートに関する質問主意書
「日朝首脳会談に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質一九六第一四五号)では、「北朝鮮政策についての考え方は、御指摘の参議院予算委員会において、安倍内閣総理大臣が「北朝鮮の側から対話を求めてくる状況をつくっていかなければならない」」「と答弁したとおりである」と示された。
また「政府はこれまで継続的に日朝首脳会談の実現可能性を検討しているとの理解でよいか」との問いに対しては、「米国及び韓国をはじめとする関係国と緊密に連携しながら、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するために何が最も効果的かという観点から、検討してまいりたい」として、実現を検討していることを否定しなかった。
平成三十年四月二十七日に行われた南北首脳会談で、韓国の文在寅大統領が北朝鮮の金正恩委員長に日本人の拉致問題を提起した際、金正恩委員長が「なぜ、日本は直接言ってこないのか」と指摘していたことがフジテレビなどの報道機関で報じられている。
南北首脳会談で文在寅大統領から日本が拉致問題の解決を求めていることを伝えると、金正恩委員長は「韓国やアメリカなど、周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は直接言ってこないのか」と指摘したことが日本政府関係者のコメントとして報じられている。この金正恩委員長の発言は韓国政府関係者から日本政府に伝えられたとされる。
これらを踏まえ、以下質問する。
二 一について、かかる意思表示は、北京の北朝鮮大使館経由ないしは国連の北朝鮮代表部経由でも行っていないという理解でよいか。政府の見解如何。
三 これまでに政府が金正恩委員長に拉致問題の解決を求める要請を行っていたとすれば、その経緯、方法について明示されたい。
四 金正恩委員長は「韓国やアメリカなど、周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は直接言ってこないのか」と述べたとされるが、政府はこの発言をどのように評価するのか。政府の見解如何。
五 答弁書では「北朝鮮の側から対話を求めてくる状況をつくっていかなければならない」としているが、金正恩委員長が「なぜ、日本は直接言ってこないのか」と指摘するのならば、政府は何ら実効性のある行動をしてきていないのではないか。政府の見解如何。
六 答弁書では「拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するために何が最も効果的かという観点から、検討してまいりたい」としているが、拉致問題の解決のため、金正恩委員長に確実に要請が伝えられるための交渉ルートとして何が最も効果的であると考えているのか。政府の見解如何。
右質問する。