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平成三十年五月三十一日提出質問第三二九号
安倍総理とプーチン大統領のテタテ会談に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
安倍総理とプーチン大統領のテタテ会談に関する質問主意書
平成三十年五月三十日、安倍総理は国家基本政策委員会合同審査会で、「平和条約交渉の中身、見えていないではないか。いわば安全保障にかかわることであります。これは、残念ながら、最後の時点に至るまで外に出すわけにはいかないわけであります。もう既に相当の時間をかけて平和条約交渉はしています。前回もほぼ十時間、同じ空間にいたわけでありますが、テタテの会談のときには、基本的には平和条約交渉の話しか、ほとんどしていません。ただ、そこでどういう対話がなされていたかということを私が紹介した瞬間に、もう次の首脳会談では話ができなくなってしまいます。この戦略そのもの、我々が平和条約交渉にどう臨んでいくかという戦略そのものは、今、これは申しわけないんですが、今の段階でオープンにするわけにはいかないわけであります。そして、最後の段階では、プーチン大統領と最終的な判断をしなければならない、こう思っております」と発言した(「本発言」という。)。
「テタテ」とは外交用語で、通訳のみを介した一対一の会議であり、フランス語で二人の内緒話、内密の話である“tete-a-tete”に由来する。
本発言に関して政府の方針を確認したいので、以下質問する。
二 このテタテ会談でなされた両首脳の会話内容について記録は作成しているのか。
三 これらの「テタテの会談のときには、基本的には平和条約交渉の話しか、ほとんどしていません」のであり、両首脳間で率直な「平和条約交渉」についての意見交換がなされているという理解でよいか。
四 このテタテ会談で「どういう対話がなされていたかということを私が紹介した瞬間に、もう次の首脳会談では話ができなくなってしま」うということは当然であり、「今の段階でオープンにするわけにはいかない」ことも理解できる。他方、「最後の段階では、プーチン大統領と最終的な判断をしなければならない」のであり、その判断結果はわが国の国益を左右し、多くの国民に影響を及ぼすことは論をまたない。このため、両首脳がどのような議論を行ったのかを後世の日本国民が納得し、検証することができるように、テタテ会談の記録を含め詳細な交渉過程の記録を残すべきであると考えるが、政府の見解如何。
五 平成三十年五月三十日の国家基本政策委員会合同審査会で玉木雄一郎議員は、北方領土の返還に関して、安倍総理が「安保条約六条に基づく施設、基地は置かないということをトランプ大統領から確約をとれば」良いのではないかとの提案を行っているが、これについて安倍総理は否定も肯定もしていない。日米安全保障条約第六条では「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」と示されているが、当該条文は留保要件なく「日本国」の主権下に適用されると解するが、北方領土のみ同条の適用を除外するという運用が現行の日米安全保障条約上可能なのか。政府の見解如何。
右質問する。