衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成三十年六月十八日提出
質問第三九五号

米朝首脳会談を踏まえた外交・安全保障の諸問題に関する質問主意書

提出者  中谷一馬




米朝首脳会談を踏まえた外交・安全保障の諸問題に関する質問主意書


 米朝首脳会談で朝鮮半島の平和にむけての第一歩が踏み出されたことに対し率直に評価をいたしますが、米朝首脳会談を踏まえて日本が今後どのように外交交渉していくのかが重要であると考えます。今回の会談で北朝鮮は、体制の保証を得ることができ、米韓の軍事演習の中止も言及され、国際的な好感度を上げることにも成功したように見えます。しかしながら、日本はどうでしょうか。安倍総理ならびに我が国が、会談結果に求めていたものとはかけ離れた状況になっていることは周知の事実であると思います。残念ながら最大限の圧力路線を続けてきた日本は、カヤの外に置かれ、日本政府がこれまで主張を続けてきた拉致問題は確実な進展を見せたとは言えません。非核化に関しても具体的な期限や「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)など肝心な部分が共同声明には盛り込まれることはなかった上に、トランプ大統領からは非核化に必要な費用は日本と韓国が支援するだろうという発言がなされるといった状況です。誰の目から見ても外交成果を全く勝ち取ることができなかった。日本にとって大きな敗北ではないかと多くの国民が心配しているのではないかと危惧をいたします。
 そこで以下質問いたします。

一 米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が六月十二日に署名した共同声明には、日本人拉致問題について触れられていませんでしたが、日本政府としてはこのことをどのように捉えているのか、見解を伺いたい。
二 また、この共同声明には、日本政府がこれまで主張してきた非核化の具体的な期限や「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)との文言がありませんが、日本政府としてはこのことをどのように捉えているのか、見解を伺いたい。
三 トランプ大統領からは北朝鮮の非核化に必要な費用は日本と韓国が支援するだろうという発言がなされたということでありますが、日本政府としてはこのことをどのように捉えているのか、見解を伺いたい。
四 安倍首相は六月十六日、北朝鮮の非核化に関して、核兵器の廃棄に必要な費用を日本が負担する可能性があることに言及しました。安倍首相は非核化のプロセスにかかる費用に関連して「国際原子力機関(IAEA)の査察にかかる費用を日本が負担するのは当然だ」としたうえで、核兵器の廃棄に関する費用負担については「国際社会で話し合う。何らかの国際約束はあり得る。査察を含め非核化で日本も利益を得る。そういうことは考えていく。」と述べられましたが、これはトランプ大統領の言うような日本と韓国のみが支援するという認識ではなく、アメリカや中国など関係する国々を含めた国際社会と費用負担をしていくという認識であるのか伺いたい。また、仮に違う場合には、どのような認識における発言であるのか詳細についての説明を求めたい。
五 トランプ大統領が米朝首脳会談後に、北朝鮮との対話継続中は米韓合同軍事演習を中止する意向を表明されましたが、日本政府はこのことについてどのように捉えているのか、見解を伺いたい。
六 北朝鮮等の弾道ミサイルに対応するため、政府が導入を決めた陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備には二基で約二千億円が見込まれる。米朝首脳会談を経て、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わろうとしている。その中でイージス・アショアをこのまま続けていくのか、いかないのかでは他の防衛装備の取得・開発に大きく影響を与えると考えるが、政府としてはイージス・アショアの配備を今後どのようにしていく考えであるのか、見解を伺いたい。
七 上記のような様々な諸問題を踏まえて、今国会の会期末までに、米朝首脳会談の検証をはじめとする安全保障、外交、拉致問題について、政府が国会で国民に対して、現状を丁寧に説明し、今後、日本政府としてどのような戦略を持って対応していくのか総理自らがお話しされる必要があると考えますが如何か。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.