衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成三十年六月二十七日提出
質問第四一二号

理学療法士・作業療法士の臨床実習に関する質問主意書

提出者  阿部知子




理学療法士・作業療法士の臨床実習に関する質問主意書


 理学療法士・作業療法士養成教育の改革・充実について、平成二八年に二回にわたり質問主意書を提出し、平成二九年三月には厚生労働委員会で質疑を行った。その結果、同年六月に理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会(以下検討会という)が設置され本年二月に報告書が公表されたところである。
 この報告書が指摘している見直しの内容に照らし、現行の臨床実習教育の改善の必要性について、以下質問する。

一 検討会においては、議論の前提となる実態把握がまず必要とされ、学校養成施設並びに現役の学生及び新人の理学療法士・作業療法士に対するアンケート調査が実施された。
 その結果、後者に対する調査では、臨床実習中に「毎日自宅に持ち帰り課題を行っていた」と七〇%以上が回答し、「自宅で課題に費やす一日あたりの時間数」について六〇%以上が「三時間以上」とし、「講義日より三〜四時間程度睡眠時間が少なかった」学生等が四五%以上、「講義日より五時間以上睡眠時間が少なかった」学生等が一七%以上に上っている。また、二〇%以上が「実習指導者からのハラスメントと思われる言動等」を受けたことがあると回答し、約半数が「心身に不調をきたしたことがある」、一五%以上が「病院を受診したことがある」と回答している。
 こうした現状が現在進行形で「いま、ある」ことについて認識しているか。またそれに対して何らかの対策を講じたか。
二 昨年五回にわたって開かれた検討会では、臨床実習においては様々な問題があり、学生にとって大きな負担となっているとの認識のもと、主たる実習施設以外の臨床実習指導者全員に臨床実習指導者講習会等の修了を義務付け、また、臨床実習一単位の時間数について実習時間外に行う学修等を含めて四五時間以内とする等、臨床実習指導者教育の徹底と実習時間数の明確化を図る報告書が発表された。内容については大いに評価したいが、適用は「平成三二年四月入学生」からとされ、今現に行われている臨床実習を改善する具体的措置については何ら言及されていない。
 平成三二年三月までに入学し在籍している学生に関しては、現行のまま臨床実習が行われるということか。
 そうだとすれば、「実習生の負担となっている実態」は平成三五年三月まで、最長であと五年間続くこととなるが、その間は何ら対策せず放置するということか。明確に答弁されたい。
三 臨床実習の単位については、指定規則が準拠する大学設置基準において、一単位の時間数は四五時間(予習復習時間を含む)を標準とすると定められている。さらに、現行のガイドラインにおいても、臨床実習の一単位(一週間)の時間数は、「一単位を四五時間の実習をもって構成すること」とされている。つまり日誌やレポート等提出物の作成も含め、臨床実習時間内に完結させることが制度上の基本であり、最後に簡潔なレポートを課す程度であれば許容範囲と言えなくもない。
 しかしながら、現在多くの臨床実習施設は、朝から夕方あるいは夜まで見学・検査・評価及び治療などの臨床現場における実習を学生に課し、その日一日の実習内容の記録・まとめや関連する資料文献の確認などについて、一日の実習終了後に自宅等で取り組ませ、報告書を翌朝提出させる方式を採用している。
 こうした実態は現行のガイドラインに照らして容認されるべきものなのか。違反行為ではないのか。認識を問う。
四 病院やクリニック等臨床現場における八〜九時間にも及ぶ実習の後、毎日課題を持ち帰らせ、翌朝提出させるような方式の臨床実習は、「一単位を四五時間の実習をもって構成すること」としている現在の指定規則・ガイドラインに明確に違反している。この実態を放置せず、早急に是正に向けた具体的な行政措置をとるべきと考えるが、どうか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.