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平成三十年七月十三日提出
質問第四五一号

都道府県民歌と市区町村民歌に関する質問主意書

提出者  川内博史




都道府県民歌と市区町村民歌に関する質問主意書


一 今国会で成立した改正スポーツ基本法により、西暦二〇二三年一月一日から国民体育大会(以下「国体」という。)は「国民スポーツ大会」と名称を改めるが、これまでの国体の開会式においては、開催都道府県の旗(以下「県旗」という。)掲揚時に都道府県が制定した自治体歌(以下「県民歌」という。)を演奏することが慣行とされている。この慣行は第何回大会から始まったのか。また、県民歌の制定並びに、国体開催時に県民歌を演奏することについて、国はどのように関与し、もしくは関与しなかったのか、その経緯について事実関係と政府の認識を示されたい。
二 国体の各大会において、県旗掲揚時に演奏された楽曲の題名(県民歌としての告示や、例規集への掲載の有無を含む。)、作詞者および作曲者の氏名について、記録があればその範囲で明らかにされたい。
三 兵庫県の官選第三十二代・公選初代知事の岸田幸雄氏は昭和二十一年に日本国憲法公布記念事業として県民歌の制定を提唱し、昭和二十二年に『兵庫県民歌』(以下「本楽曲」という。)が制定された旨が同年二月十九日付および五月四日、同九日付の神戸新聞記事により確認される。また、同県の公文書管理・保存部門である県政資料館には当時作成された楽譜が所蔵され、昭和六十年の開館から平成十二年頃まで公開展示に供されていた。それにもかかわらず、同県では本楽曲の存在並びに「岸田知事の提唱で県民歌が制定された」と言う事実そのものを否定している。
 以上の前提を踏まえ、本楽曲の現在の法的地位について質問する。
 1) 平成十八年の第六十一回国体において、開会式の県旗掲揚時に「県民歌は存在しない」と言う当時の兵庫県の見解に基づき代替の楽曲を選定したことについて、国及び日本スポーツ協会は県側からどのような報告を受けたのか明らかにされたい。
 2) 芦屋市立美術博物館に所蔵されている本楽曲の懸賞公募要綱文には「入選作品に関する一切の権利は主催者が持つことになる」として著作権が県に帰属することが明記されているが、本楽曲の作曲者である信時潔氏(元東京音楽学校講師)は昭和四十年没であり、旋律は平成二十七年十二月三十一日を以て著作権の保護期間を満了した。対して、作詞者の野口猛氏(一般公募入選者)は昭和四十七年没であり、本楽曲の歌詞は現在もなお著作権が存続しているものと推定される。この場合、公募要綱の記述からは歌詞の著作権が作詞者個人(没後はその遺族)でなく県に帰属しているものと推定されるが、権利者である県が本楽曲の存在を否定していることは、その著作権をも放棄したことを意味するのか。政府の見解を問う。
四 現行の県民歌や市区町村歌等の自治体歌(以下「自治体歌」という。)は作詞の大半や作曲の一部を一般公募によって選定しているが、主催者である自治体の多くは選定後に入選者の消息を把握していないため、昭和二十二年制定の『東京都歌』の作曲者、また昭和二十五年制定の『山梨県の歌』の作詞者並びに昭和二十七年制定の『高知県民の歌』の作詞者のように、入選後の消息が途絶えて長い年月の間に権利状態が不明確となったものが多く見られる。こうした状況は好ましいものではなく、また兵庫県のように制定されたはずの県民歌が制定主体である県から存在そのものを否定されると言う事態も生じている。このような実状に鑑み、各都道府県や市区町村を対象として市町村合併等により廃止された楽曲を含め、国立国会図書館等で、自治体歌の登録・保存を行うべきではないかと考えるが、政府の見解を問う。

 右質問する。



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